3・11
このような時に、サッカーについて議論するのはもちろん価値の低いことではある。大阪に住んでいる我々はラッキーだ。13階の私の部屋は少し揺れただけだったけども、そこには確かに危険が存在した。何より気になったのは、揺れが止まらないことだった。
仙台東部の震源地からは600kmも離れた私のマンションは、15分後になっても、まるで静かな海に浮かぶ小舟のように揺れていた。その頃には、ことの重大さはテレビやフェイスブック、ツイッターといったソーシャルネットワークサービスによって次第に明らかになっていた。
やがて揺れが収まり、なすすべもなく静かに座りこんだ私たちは、本当の恐怖を知ることになる。
壊滅的な津波の映像は、世界中にリアルタイムで中継された。しかし、十分な情報(特に公式な情報)を得ることは出来なかった。通信は断絶していたが、携帯でのデータサービスは使用可能だった。そのため、ツイッターは被災地にいる人々にとっては、非常に有益な情報源となった。
横浜在住のアイルランド人ライター、コルム・スミス氏をはじめ、様々なツイッターユーザーは現地レポーターとなり、特に英語での情報が極めて限られた中で、その直後の状況を的確にレポートした。恐らく数百万の人々が東京都心から数時間かけての徒歩での帰宅を余儀なくされた。ソーシャルメディアは解説者であり、ガイドでもあった。
現在でも、被害の全体は推測の域を出ない。しかし、少なくとも日本人が本来持っている、危機を迎えた時に協力する力は示されている。1995年の神戸での震災の記憶が新しい関西では、何か些細なことでも出来ないかという思いが至るところに見られて、心が温められる。
サッカーや他のスポーツは、もちろん当面は後回しだ。モンテネグロとニュージーランドとの国際親善試合の開催も未定だが、ここにセルジオ越後さんの言葉を掲載したいと思う。
津波や原発の映像を見てるだけでは、復興に向けたパワーは生まれない。日本代表がどれだけ人の心を動かすことができるかは、昨年のW杯や今年のアジア杯で皆が体験済みじゃないか。日本中が復興に向けて一つになるために、サッカーがどれだけ貢献できるか
電力の問題があるならば、試合時間を昼に変更すればいい。余震で危険だと言うならば、開催地を関西に変更すればいい。テレビを通じて、何十万、何百万という人々に、パワーを与えられるチャンスを逃すべきじゃない。今こそ、サッカー協会の行動力が求められている。
多くのセレッソ大阪のサポーターがソーシャルメディアを通して、昨夜のACLでのガンバを応援してくれた。街の青サイドとしても、セレッソが今夜の山東魯能と戦う時には、この寛容な心づかいにお返しをするだろう。
※上記はベン・メイブリーのブログ記事「3/11」からの抜粋です。全文は英語版へアクセス下さい。
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