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2010年10月

本田 vs. 香川

2010/10/06(水)

アルゼンチン、韓国との2つの親善試合に先立ち、新たに勃発した本田圭佑香川真との興味深い主導権争いとともに、アルベルト・ザッケローニの日本代表監督としての治世の幕開けを楽しみにしている。

 

本田は南アフリカでの不慣れなワントップのポジションでスターの座に就く前に、VVVフェンロCSKAモスクワでのパフォーマンスによって、ワールドカップまでに中村俊輔に代わる日本代表の中心選手としてのイニシアチブをつかみ取っていた。しかし欧州でプレーする日本人プレイヤーの第一人者としての地位は、ワールドカップでの23人からは漏れたものの、現在はボルシア・ドルトムントでのトップ下で頭角を現した香川に奪われることとなった。

 

この争いは、代表チームにとっては望ましいことではある。とりわけ、ザッケローニ監督が現代的な4-2-3-1での攻撃の流動性を慎重に生み出し、両プレイヤーを同時に輝かせることができるのであれば。

 

 

※上記はベン・メイブリーのブログ記事「Honda vs. Kagawa」からの抜粋です。全文は英語でお楽しみください。

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9月を終えて、3つの小さな愚痴

2010/10/01(金)

なかなかリズムが取れなかった9月を終えて、3つの小さな愚痴。(更新が少し不定期になってしまい、申し訳ないが、2週連続3連休ではなく、木曜日に祝日なんて何だろう?先週の水曜日はすっかり金曜気分、そして金曜日は月曜気分になってしまった。因みに、これは3つの愚痴の1つではない。)

 

 

① GUATEMARA?どこ、それ?

 

先日の長居では、マリオ・ロドリゲスが新生サムライブルーの勢いを殺ぐゴールを決めた後、そのゴール裏のスコアボード表示に目を奪われたのだろうか。

 

JAPAN 2-1 GUATEMARA

 

反対側のカラー画面では「GUATEMALA」という正しい綴りが表示されていたにもかかわらず、この誤りはキックオフから約40分、ずっとそのままだった。ハーフタイム前にはようやく、秘かに修正された。(ここに写真があるが、少しぼやけている。私たちの席からせっかく分かりやすいクロースアップ写真を友達に撮ってもらったのに、そのiPhoneから姿を消しているようである。もし私にもiPhoneがあれば絶対有り得ない。まあ、忘れておこう。これもとにかく3つの1つではない。)

 

英語が難しいという日本人が多いのは当然なことであり、仕方がない。むしろ、世界各地の人が必ず英語を喋ってくれると思い込んでいる、多くのイギリス人やアメリカ人が外国に行っても挨拶すら勉強しないというほうがだいぶ恥ずかしいことである。それから、日本人が「L」と「R」を区別できないというステレオタイプも笑い物にしてはいけない。日本語にはこの英語の音素が存在しないわけであり、ローマ字が必要な場合に仕方なく「R」と表記するラ行は本当は歯茎側面はじき音と言い、英語などにはない。ところで、この独特な子音は国際音声記号では[ɺ]と書き、外国人にとって(ちゃんと日本語を勉強しても)発音しにくいという人も決して少なくない。

 

しかし、ここで何が大きな問題なのかと言えば、スコアボードの操作者が正しい綴りを確認しておかなかったこと、或いは確認しておこうとさえ思わなかったことである。手元のパソコンや携帯電話を介してGoogleWikipediaへいつでも、どこでもアクセスできるこの21世紀には、このような基本的なことの確認を怠ることはまず許されない。もう少し厳しく言えば、ご足労をおかけして来日したグアテマラ代表の選手や関係者に対して非常に無礼な失敗だった。

 

この長居スコアボードの事件は一回だけのことだったら大目に見るかもしれないが、残念ながらそうでもない。日本のブランド名サッカーグッズから、Congratulation!」という挨拶状(本当は複数だよ)や目を覆いたくなるような子供服まで、変な英語が毎日、至る所に現れる。私個人の経験から、日本の大企業がネイティブに任せて頂く場合でも、英文が出版または発表される前に日本人のいわゆる編集者が勝手に滅茶苦茶にすることも信じられないほど頻繁に起こる。

 

グローバルなコミュニケーションや国際競争力にはある程度の多言語化が必要なツールという前提があるとすれば、その基本がそう難しくないはずである。お客様やVIPが来日するときは、できる限り英語(若しくは、その母語)で対応するように努力すれば、話し言葉に多少の間違いがあっても、発音が完璧ではなくても、お客様が落ち着きやすくなるのできっと喜んで頂くだろう。しかし、一方で画面やスローガン、印刷物などには上記の例のようなとんでもない英語が書いてあれば、姿勢が適当過ぎると思われ、自社ひいては日本の価値下落にしか繋がらない。

 

 

② ダービーの侮辱

 

ガンバ大阪のサポーターは文法のおかしいバスタオルで体を拭いたりすることもあれば、セレッソ大阪のことをさり気なく「豚」と呼んだりすることもある。これはもちろん、あるハム・ソーセージ大手のスポンサーが付く、ピンク色のユニフォームを着る地元ライバルということから、かなり分かりやすい冗談であろう。しかし、4年ぶりだった今年の大阪ダービーでは、ホーム&アウェイとも「相手を侮辱するな」という連絡が突然ガンバのフロントから届き、クラブが反する行為と判断したものに対しては永久入場禁止まで視野に入れたようである。先日の万博ダービーでは1人のサポーターがこの時代変化に気付かず、一瞬豚の絵を描いた旗を掲げてしまったが、その結果セレッソ側からクレームが出てしまい、ガンバの中央応援団は試合後に3対2の勝利を喜びたかったときに警備員に叱られることになった。まるで、「豚」というのは巨大なタブーになっているようである。

 

私は過去にも同じ話題について長々と語ったことがあり、詳細な論拠は3月の大阪ダービーのときに書いた記事を参照して頂ければと思うが、ガンバファンへの態度は半年が経っても相変わらずおかしいので、ザっと振り返ろう。野球が盛んな大阪にはプロサッカーチームが2つもあって、理想的でないところが確かに多くあるが、ダービー戦はアイデンティティとライバル心を通して関西地方のサッカーを盛り上げるチャンスとして活かすべきである。(元日本代表監督のイビチャ・オシム氏が先日、スカパー!のインタビューで日本サッカーが今後もさらに成長していくためには、中国や韓国とのライバル心を盛り上げれば良いというふうに述べたのも、同じ考え方である。)万が一、サッカーファンの応援コールには本当に名誉毀損に値する内容や、人種差別用語、或いは実際に乱暴騒ぎを起こそうとする歌詞が含まれる場合はもちろん厳しく処分しなければならない。しかし、日本はグローバルなスポーツであるサッカーとその文化を輸入している中、ダービーのからかい合う習慣も徐々にJリーグにも浸透するのは当然のことであり、しかも大きな魅力ポイントとも言える。むしろ、サッカー選手が家畜に例えられても、実際に悲しむ人は本当にいるのか?

 

そこで、良い考えがある。私のようなガンバサポーターのことを「吹田の猿」と呼んでも構わないので、「豚」という言い方も変えないことにしよう。そしてガンバがダービーで勝ったときはセレッソファンの友達に笑わせてもらうので、次負けたときは仕返しを楽しみに待っている。

 

 

③ 誰か注目してくれるかな

 

去る25日のJ1第24節では、首位の名古屋グランパスがアウェイで静岡エスパルス5対1で圧勝したのに次いで、3位のガンバ大阪が等々力で6位の川崎フロンターレに勝利を収めたのも大きな結果だった。しかしその翌日、私の好きなやべっちFCを見ていると、ルーカスの勝ち越しゴールシーン(約25メートルのミドルシュート)が何故か、あっという間に1回しか映らなかった。「レッズだったら絶対何回も見せてくれたのに」と、私は少し苦笑いを浮かべた。

 

そして偶然なのか、私が天才なのか、次のハイライトは中位同士の決戦、浦和対アルビレックス新潟だったが、柏木陽介がルーカスと同じく約25メートルから決めた先制点は何と1、2回にとどまらず、3回も観賞させてもらった。それも確かに立派なシュートではあったが、エスクデロ・セルヒオのフツーな2点目ももう一度見てみようということになった。

 

私も先ほど認めたように、関西サッカーには確かに課題が残っているだろうが、日本のスポーツ報道がこのように簡単に予想がつくほど関東中心というのは、ちょっとしいことである。

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