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【キックオフまで後2日】 FOOTBALL JAPANメンバーのW杯予想 (上:日本代表)

2010/06/09(水)

2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会は今週の金曜日、11日に開幕戦を迎えます。

Football Japan Minutecastにて、W杯期間中は日本戦のプレビュー・レポートをはじめ、決勝トーナメントからは現地ヨハネスブルグから特別番組なども、週数回配信する予定ですので、お楽しみにして下さい。

 

しかし、その前に、W杯に向けてFootball Japanメンバーの予想はどうでしょうか?私は日本の現役最年長のスポーツライター・賀川浩氏と、シック本多克己社長、ライター兼賀川氏のアシスタント・根本いづみ氏と4人でお話しました。

 

(「下:全体」はこちら)

 

 

 日本代表の初戦、カメルーン戦はいよいよ14日(日)に行われます。岡田ジャパンの調子はどうでしょうか?

 

賀川: ああ、ずっと悪いですよね。一番の心配は、去年の予選を突破してから、全然伸びていないこと。そして、伸びていないだけでなくて、むしろ、前と前のシーズンの疲れが重なって、遠藤保仁が調子が悪い。それから中村俊輔も、日本の食品で言えば賞味期限切れという感じに近づいている。元々はそういう年齢でもあるし、そういう体力でもあるけれども、それが今、非常に目立っていますよね。すごい怪我が来ているから。最もパスのうまい2人が揃ってダメというのはね、大変ですよね。

 

本多: 好調とは言えないかもしれないけども、ぼちぼちですね。

 

根本: 俊輔の調子が心配ですね。中澤佑二は、セルビア戦に比べるとずいぶん良くなってきた感じで一安心ですが。

 

メイブリー: アジア予選で出場権を獲得したのは1年前になりますが、それ以来は、2部から昇格を決めたら「攻撃的なスタイルは変わらない」と主張するクラブチームに似ています。やはり、トップレベルはそう甘くないですね。岡田監督はようやく戦術を変更し始めていますが、それでも、戦術が分からないマスコミは何故か変えないようにプレッシャーをかけているようです。

 

 カメルーン戦に続き、グループEでオランダデンマークとも対戦します。突破の鍵となるのは何でしょうか?

 

賀川: カメルーン戦ではまず最低、勝つことが条件ですけれども、そうでなければ負けないことです。それは一番ですね。そのためには、カメルーンとアフリカのチームは平均して、非常に皆が個人的に優れているけれども、守りのときに時々どの優秀なチームでも気が抜けるときがありますからね。そういうところにこちらの連動性がうまく行き合えばね…

イングランド戦の前半の得点でも、日本は本当に良いリズムでコーナーキックを得ましたね。そして、遠藤が非常に賢いプレーで引っ張って入れたけれども、キックの前に阿部勇樹がニアへ走ったので、田中マルクス闘莉王が付いていきました。闘莉王は非常に攻撃のセンスがありますから、シュートの前の動きも非常にうまいですね。それで入りました。

日本はコーナーキックも含めて、あの一連、ものすごくリズミカルに行っていますよね。ちょうどそのときに、イングランドがちょっとぼんぼんやりしていたのですね。サッカーの試合にそういうことがあるので、もしカメルーンのときにも出れば、うまくいけば2対1、1対0で勝てるかも分かりません。悪くても引き分けてくれれば、次に臨みがありますよね。

 

本多: カメルーン戦は重要ですが、その結果にとらわれずに自信を持って試合に臨むことです。負けても過度に落ち込む必要はありません。

 

根本: 私も同感ですね。初戦はもちろん大事。でも、万一、落としたとしても2006のときのように「もうダメだ」と思わないこと(メディアも含めて)。後は、GKの活躍。

 

メイブリー: 相手の3チームはいずれも体の強い選手がたくさん揃っていることから、日本にとっては決して理想的な組み合わせではありませんが、私は最初から、中盤の争いが鍵を握ると思っています。ですから、岡田監督は自信を持って、レベルの高い相手に対してはボールをキープできない4-2-3-1をやめ、阿部(または稲本潤一)を投入して4-1-2-2-1を起用しなければならないと思います。後は、本田圭佑をどう活かせば良いか、ということですね。

 

 岡田監督はもちろん、「ベスト4」という目標を掲げていますが、これは本当に現実的ですか?NOの場合は、現実的な目標は何でしょうか?

 

賀川: 普通に考えれば、日本より強いというほど見せつけた韓国だって、優勝が200対1ぐらいの賭け率ですね。それは正確なところですしね。だけども、サッカーで力が開いていても、場合によって勝てるチャンスもありますから。ベスト4というのは、普通の常識で聞けば「何を言っとるんだ?!」と思う人が多いでしょうが、監督としては、初めから負けにいくという監督はいないわけです。だから、ベスト4というのは別に妥当なもんですよね。

ベスト4を抜けて、優勝するかせんかということになると、国全体のサッカーの厚みがかなりものをいうと思います。ですけど、短期決戦では、2002年の韓国と1968年オリンピックの日本代表などもベスト4まで行きましたね。高めの望みには見えますし、日本がプレミアリーグに入ったらもちろん有り得ないですが、これはやはりスポーツの面白味ですね。日本人は日本のことを悪く言いたいですけど…

 

本多: 1勝とか、グループリーグというのはすでに達成しているのですから、目標としてはおかしくないと思うので、ベスト4で良いです。2002にグループリーグ突破という目標を果たした後の無残なトルコ戦のことは忘れられません。

 

根本: 実現の可能性ゼロとは言えないけど… 現実的なところと言えば、やっぱりグループリーグ突破かな?

 

メイブリー: 元々、誰が悪いかはあまり良く分かりませんが、この「ベスト4目標」というのは今やあまりにも大げさなことになってしまった結果、選手達に過大の負担を与えているに違いありません。プライベートでは、高い目標を設定するのは私も賛成ですが、公の話になると、マスコミやサポーターが期待し過ぎずに応援し続けてくれるように、もう少し慎重に話せば良かったです。現実的には、グループリーグを突破できれば、それだけで大成功のではないかと思います。

 

 理想や目標をひとまず置いておいて、日本代表は結局どこまで進むと思いますか?

 

賀川: 一次リーグを突破すれば、それも万歳です。全力を尽くさんと勝てないし、引き分けできないからですね。実際は、今の中村俊輔と遠藤の調子が治らなければ、それはちょっと…

 

本多: 客観的に見れば、ということならグループリーグ敗退でしょうね。ただ、どのチームも日本には必ず勝たなければいけないと考えているはずなので、その意識がチャンスではあります。

 

根本: ベスト16!希望は捨てられません!

 

メイブリー: 決勝トーナメントまで進むには、日本はカメルーン戦とデンマーク戦から勝ち点4を取り、そしてある程度の運も必要になってくるでしょう。3敗など、大失敗には終わらないと思いますが、戦術の変更が少し出遅れたこともあり、突破は厳しいかもしれませんね。

 

 

(「下:全体」はこちら)

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