【キックオフまで後34日】 23人のメンバーは?
日本代表の岡田監督はこのコラムの理想的な布陣に賛成するかどうかは分からないが、私の選んだ11人にとって、10日のW杯メンバー23人の選考はとにかく心配ないと考えて良いだろう。実は、この1年で多数の選手が代表に招集されているにもかかわらず、現時点では23人のうち、まだ決まっていないのは4、5人ぐらいしかいないと考えられる。
玉田圭司はこれからも相変わらずメインフォワードかもしれないし、中盤では阿部勇樹と怪我から復帰した中村憲剛もスタメンを狙うのも無理はない。攻撃的中盤として松井大輔という選択肢もあり、同じ海外組の長谷部誠と本田圭佑とともに、既に「ボーダーラインの選手ではない」と言われている。
GK楢崎正剛のバックアップとして、川崎フロンターレの川島永嗣も確実と思われるが、浦和レッズの都築龍太は2006年に続きまた最悪のタイミングで怪我に苦しみ、今回もW杯が厳しいかもしれない。他に候補が数人いるだろうが、その間でサンフレッチェ広島の西川周作が目立っている。
守備については、複数のポジションをこなせる駒野友一と今野泰幸がこれまでベンチ入りするパターンが多く、岡田監督は今になってこれを変える可能性が低いだろう。しかし、7人目のディフェンダーはより厳しい選択である。とりわけ、FC東京のサイドバック・徳永悠平は招集の見込みがあるが、もしセンターバックの少ないことが気になれば、それぞれ国際Aマッチで2試合しか出場していない岩政大樹や栗原勇蔵にチャンスが巡るかもしれない。
攻撃のポジションは相変わらず選択肢が多く、選考に関して意見が割れても当然のことだろう。私の応援している、昨日22歳の誕生日を迎えた森本貴幸は確かに代表経験が浅いとはいえ、セリエAでの活躍はファビオ・カンナバーロやアレジャンドレ・パトの絶賛をはじめ、イタリアのサッカー界で広く評価されている。とにかく、例のセルビア戦でなかなか結果を残せなかった矢野貴章や興梠慎三よりは、森本のほうがW杯の相手を怯えさせるポテンシャルがあるに違いない。セレッソ大阪の香川真司も南アフリカに呼ばれる保証はもちろんないが、J2で27ゴールを挙げて得点王に輝いた昨年に続き、J1の舞台でも同じ得点力(既に10試合で6ゴール)を見せている。私の意見では、必ずW杯メンバーに招集されるべきである。
さて、最後の「23人目」は誰だろうか?中盤の山瀬功治と石川直宏は恐らく可能性が低いだろうし、フォワードの平山相太は今年も大方の大きな期待に応えられていない。大久保嘉人は海外経験や、国際Aマッチ出場46試合(2010年W杯の予選で9試合を含む)を誇ることから、岡田監督は今回も彼にこだわってもおかしくない。しかし、マジョルカとボルフスブルクの時代はレベルの高いリーグであまりチームに貢献することができず、今年もJリーグで好調とは言えないので、私なら、大久保が本当に適任かどうか疑問に思う。また、昨シーズンのJリーグMVP・小笠原満男より、大久保のほうが選ばれる理由が分からない。
とはいえ、やはりミッドフィールダーはもう十分集めており、小笠原にとって3度目のW杯出場は夢に終わりそうである。このコラムで提言したようなワントップのシステムを起用する場合でも、メンバー23人のうちフォワードが3人では足りないので、ジュビロ磐田の前田遼一も招集して欲しい。2007年、A代表初出場を果たしてから合計5試合にしか出ていない中、最終決定を下す岡田監督は前田のことを考えていないかもしれないが、昨年のJ1得点王は今年も絶好調であり、怪我がなければゴールを決められることは確実である。
私が岡田監督のアシスタントだったら、W杯メンバー23人は下記の通りとなる。
ゴールキーパー(3人)
楢崎正剛(名古屋)、 川島永嗣(川崎)、西川周作(広島)
ディフェンダー(7人)
田中マルクス闘莉王(名古屋)、中澤佑二(横浜FM)、内田篤人、岩政大樹(鹿島)、長友佑都、今野泰幸(FC東京)、駒野友一(磐田)
ミッドフィールダー(9人)
中村俊輔(横浜FM)、遠藤保仁(G大阪)、本田圭佑(CSKAモスクワ)、長谷部誠(ボルフスブルク)、稲本潤一、中村憲剛(川崎)、阿部勇樹(浦和)、松井大輔(グルノーブル)、香川真司(C大阪)
フォワード(4人)
岡崎慎司(清水)、玉田圭司(名古屋)、森本貴幸(カターニャ)、前田遼一(磐田)
予備
徳永悠平(FC東京)、小笠原満男(鹿島)
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