Jリーグの最終週末に学んだこと
① 鹿島アントラーズはさすがのチャンピオン
鹿島アントラーズのプレースタイルや態度、そしてF1のジェンソン・バトン選手のように後半戦に急失速した(第1~17節は勝ち点42も取ったのに対し、第18~34節はわずか勝ち点24だった)ことはあまり魅力的ではないという声もあるが、今年もやはり誰よりも強く、さすがのチャンピオンとして高く評価すべきである。秋にはまさかの5連敗を喫し、最大10まで広がっていた勝ち点差が完全に削られた後、アントラーズは調子を何とか取り戻し第32節を終えて再びトップに立ったが、3位のガンバ大阪と埼玉スタジアムで浦和レッズというのは悪夢のように厳しそうなラスト2だった。しかし、優勝争いのライバルは皆いざというときに慌ててしまった一方、鹿島だけが毎年のように勝ち続けた。おめでとうございます。
② 闘莉王は試合が終わっても相変わらず難しい相手
6年間在籍した浦和を今季限りで去ることが決定的な田中マルクス闘莉王は、アントラーズの優勝祝いを見て喜びを分かち合えなかった。チームでのラストマッチが惜敗に終わり、そして「自分からチームを出て行くというのではなく、レッズが自分を必要としていない」と、レッズの橋本社長との握手を拒否した。移籍先の候補として、今季公式戦16戦で38失点と守備で苦労しているウィガン・アスレティックも浮上しているが、このチームに貢献する存在感はあるだろうとはいえ、負けず嫌いな闘莉王は本当にプレミアの残留争いに向いているのだろうか。
③ 播戸竜二はいつまでも大衆の味方…
播戸竜二は天皇杯決勝戦や8月の浦和戦では劇的な決勝ゴールを決めてくれたが、今年J1戦でスタメンは1試合もなく、出場時間も合わせて421分に過ぎなかったので、今季限りでガンバ大阪を退団するとのニュースはあまりショックではなかった。しかし、セレッソに移籍しない限り、播戸はいつまでもガンバのサポーターに愛され続けるだろう。5日、万博で最後となったジェフユナイテッド千葉戦の試合後、「バンちゃん」はいつものお礼や送別スピーチに満足せず、わざわざスタンドをよじ登って、ファンの中でお別れの挨拶をしてくれた。お金持ちのプレミアなら有り得ない、嬉しいハプニングだった。
④ …だが、満席のスタンドで人を胴上げするのはやはり危ない
北ゴール裏の熱い応援団の一員として、私は播戸の挨拶と「1、2、3、バン!」コールリードを目の前で楽しんだが、いつの間にかその場で胴上げもすることになった。すると、勢いでバランスが崩れた播戸は思わず腕を振り、肘で私の顔をうっかり殴ってしまった。私は頭が少しぼうっとし、鼻から血が流れ出ていたまま、落ちたメガネが踏み壊されないように必死に捜し回り、大変なことになった。しかし、それはともかくとして、バンちゃんが私に特別な痕跡を残したことにしようと思う。
⑤ 「ベスト4の夢」への道はさらに厳しくなった
W杯組み合わせ抽選が行われた4日の夜、私はイギリス・ガーディアン紙の「ファンズ・ネットワーク」で日本側の反応を担当したが、岡田ジャパンのチャンスをアピールすることがますます難しい仕事となった。抽選の結果を受け、ベスト4はひとまず置き、グループEを突破するにはカメルーン戦とデンマーク戦のどちらかに勝ち、どちらかに引き分け以上、そしてオランダ戦と最終順位表は運に任せて祈るという問題になるかもしれない。フィジカルな面はいずれも厳しいだろうし、デンマークとの中盤争いは日本が技術で勝てるとはいえ、予選でわずか5失点しか許さなかった相手の守備を崩せる決定力は岡田ジャパンにあるのだろうか。
⑥ マスコミの方々は意見を率直に言うべき
週末にお話した数十人の日本人サッカーファンは皆、共通する気持ちが3つあった。1つは、シーズンの閉幕パーティーがしたいとの気持ち。2つは、W杯組み合わせや日本のチャンスに悲観的な気持ち。そして3つは、岡田監督が掲げた「ベスト4」目標で何度も繰り返して盛り上がるマスコミにイライラする気持ち。確かに、このようなびっくりするほど楽観的なターゲットを日本のマスコミほど応援する(若しくは、反対するのを恐れる)国はほかにないだろう。ここはマスコミとは呼べないが、私ははっきり言ってしまう:来年はグループリーグを突破するだけでも、大成功である。ベスト4まで進めば、奇跡である。
* このコラムは年明けまで休ませて頂きます。ここ⑥に述べたことにもかかわらず、イングランド・サマセットに里帰りし、地元の友達と家族に日本のサッカーを思い切りアピールしてくる予定です。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
コメント