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遠藤たちはもうエンド?

2009/08/05(水)

私は初めて万博に行ったのはほぼ6年前、20031025日の土曜日だった。ガンバ大阪は、エイトという名がまだ残っていた名古屋グランパスエイトを3対1で倒したことで、残り4試合のJ1セカンドステージで大混戦の中、順位を(16チームのうち)8位まで浮上し、首位の東京ヴェルディ1969との勝ち点差を4に縮めた。北ゴール裏の芝生スタンドも初体験だったが、そこでは、2つの主要応援団のコールリーダーが握手を交わし、それまでしばらく続いていた分裂応援に終止符を打った。そして、当時は外国人のサポーターが珍しかったからなのか、少しお酒に酔った応援団員に芝生の前へ招いてもらい、ガンバや今でも共に応援している友達に対して愛着の種が蒔かれた。

 

3週間後のFC東京戦では、遠藤保仁橋本英郎二川孝広の中盤コンビを初めて見た。

 

正直に言えば、ガンバは2003年まで現実的な優勝候補ではなかったが、ゴール裏の芝生のように、そんな時代はもう過去の話である。2004年に着実な向上を示した後、ガンバは4シーズンで国内とアジアのタイトルをすべて獲得し、昨年のアジア王者としてクラブワールドカップ3位も手にした。パフォーマンスは一貫して良好とは言えず、メンバーの入れ替えが多い中でシステムも3-5-2、4-3-3や4-4-2など様々であるが、この黄金時代を通じてずっとスタメンで貢献し続けているのは、現在のキャプテンでもある山口と、遠藤・橋本・二川の三拍子だけである。守備が弱点のガンバでは、アラウジョ大黒将志バレといった爆発的なフォワードももちろん、それぞれの優勝に向けて重要な役割を果たしたが、得点力は昔のガンバにもあった。毎年、優勝候補と言えるチームになったのは、この中盤のおかげに違いない。

 

しかし、今年の結果はそれほど良くない。ガンバは現在、昨年の最終順位と同じ8位に沈んでおり、首位の鹿島アントラーズとの勝ち点差が14まで広がっている。また、バレーの突然離脱とその直後の低迷から何とか回復し、AFCチャンピオンズリーグ優勝に飾った昨年とは違い、今季はハッピーエンドも期待できない。ガンバは相次ぐ怪我人の影響で春の勢いを失って以来、調子がなかなか上がらず、ACL連覇の夢が早くもベスト16の段階で潰えるとともに、2年前に優勝したナビスコカップでも横浜マリノスに惨敗し敗退した。さらに、「もっとやる気を見せろ!」と、サポーターの激怒を招き始めている。近年のガンバはたとえ、前半をビハインドで折り返したとしても、後半は一段と攻撃的に出て、何とか逆転するパターンが多かったが、今年は思うようにいかないとき、解決案が佐々木勇人の途中出場くらいしか見つからない。今や残念ながら、ガンバの黄金時代を支えたミッドフィールダーはもう試合を支配できないのかと聞かざるを得ない。

 

29歳と(橋本の場合)30歳の年齢で、この選手たちはもはや活力ある若者ではないとはいえ、「もう年だ」と言い捨てるのも時期尚早である。元日の天皇杯決勝戦までのプレーを見ると、ガンバの選手はみんなトップレベルでまだやれるはずだろう。しかし、ある意味では、ここが問題かもしれない。マンチェスタユナイテッドのサー・アレックス・ファーガソン監督は「過去の成功を忘れ、これからもどんどん勝っていきたい」という選手の意欲を何回も強調してきたが、メダルを揃えてしまうと気持ちが変わる人もたくさんいる。ガンバの2008年は奇跡のようだったし、ユナイテッドとは違い、リソースももちろん限られているので、ベテラン選手は中位争いに気がないといっても無理はない。また、二川は確かに怪我に苦しんだりしているが、橋本と遠藤は日本代表のメンバーとして、来年のワールドカップも気になっているに違いない。3年前には、ドイツW杯で日本代表キャプテンを務めた宮本恒靖のパフォーマンスがあまりに落ちてしまい、ガンバのベンチに降格することも少なくなかったが、遠藤たちも同じ道を歩めば悔しくてたまらない。

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