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シーズンの中間点にて

2009/07/08(水)

2009年Jリーグシーズンの前半戦が終わろうとしている今週、後半戦に向けて4つの質問。

 

① アントラーズは、誰が止められるのか?

先週、名古屋・川崎とアウェイ連戦に臨んだ鹿島アントラーズについて、私は4年前の優勝争いに振り返り、前半戦はいくら独走しても、最後はどうなるか分からないと述べた。しかし、鹿島はこの厳しい連戦を無事に終え、リードが勝ち点8のままということは、連覇を止められるのは2005年のような急失速しかないと考えられる。最下位の大分トリニータには辛うじて勝利を収めたが、名古屋グランパスを3対0で圧倒することによって、ACLの痛みをなかったことにできた。そして、優勝候補の2番手とも言える川崎フロンターレ戦では、60分以上も1人少ない状況で1点を追う展開となったにもかかわらず、粘って引き分けに持ち込んだというのは、チャンピオンらしいクォリティと執念の証だった。もし、すでに自信を取り戻しているのであれば、先日FCソウルに負けたことは結果的に、災い転じて福となったかもしれない。ACLの日程にとらわれず、これからリーグ3連覇だけに集中できる。

 

② アルビレックス新潟は最後まで戦い続けられるのか?

アルビレックス新潟は今年の第2節、矢野貴章ペドロ・ジュニオールのゴールで何と鹿島を倒したが、当時はアルビレックスの強さというより、4日前にACLでも惨敗を喫したアントラーズの低迷が原因とされた。しかし、それから4ヶ月の間、新潟の熱狂的サポーターにとって喜びが止まらない。アルビレックスは7位以下に落ちることなく、第16節終了時点で得失点差で2位に浮上している。5、6月のナビスコカップ戦では4連敗を喫し、バブルが崩壊したかとも思われたが、リーグ中断明けはガンバ大阪、名古屋、そして柏レイソルを相手に連勝を続けている。鹿島を上回り、初優勝を狙うのは難しいだろうが、昨シーズンを13位で終了したアルビレックスにとって、後半戦のチャレンジはACL出場権獲得に挑戦する他ない。矢野との契約更新に合意したということは、このターゲットに向けて大きなプラスとなるだろう。

 

③ モンテディオ山形はもうガス欠?

新潟対鹿島の8日前、モンテディオ山形がJ1のデビュー戦で大ニュースになった。山形は名門のジュビロ磐田とアウェイで対戦し、最後の15分で4点も挙げ6対2と圧倒的な勝利を飾った。それから、9試合で勝ち点15を獲得し、5月まで5位以内に残ったことで、2005年のセレッソ大阪優勝目前まで導いた小林伸二監督が再びJ1の脚光を浴びた。しかし、第10節からリーグ戦7試合では、記録が1分け6敗と白星なし、順位を降格圏内の16位まで落とした。セレッソは2005年の優勝争いの翌年、悪夢のようにJ2に落ちてしまったので、小林監督はすでに失脚を味わったがあるが、今回は残留争いのライバルと比べ、モンテディオは全体的に経験がまだまだ浅い。13位の横浜Fマリノス12位のジュビロを相手に次の2試合で調子を少しでも取り戻さなければ、最近の急落は絶望的なものとなるかもしれない。

 

④ どこがJ1へ復帰するのか?

J2の第25節を終えた時点では、4つの元J1クラブが残りの14チームに水をあけているが、待ちに待った復帰・昇格はそのうち、最大3つにしか与えられない。セレッソ大阪は日本代表MF、香川真司乾貴士の攻撃力に恵まれ、久々に注目を集めてきたが、中田英寿洪明甫の黄金期が終わって10年もJ1から姿を消している湘南ベルマーレは5日、セレッソを上回り、現在J2のトップに立っている。続いて、昨年の入替戦で昇格を逃したベガルタ仙台(現在3位)と4位のヴァンフォーレ甲府もそれぞれ、クラブ史上でまだ2シーズンしかJ1で戦っていないので、ファンの応援や我慢に報いるためにも、2度目のチャンスを得て有効に活かしたい。しかし、今季から計51試合の長丁場を戦っている中、最終順位が例年よりも予測しにくいだろうし、もしも現在の4強はこの厳しい日程で疲労が溜まれば、大黒将志の得点力に支えられている東京ヴェルディなどにもまだまだチャンスがあるかもしれない。

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