喜びと成功を計る
英語では、「バスをずっと待っていると、いきなり2台も同時に来てしまう」ということわざがあるが、交通機関がちゃんと時間通り走る日本では、あまり通じないだろうね。とにかく、今週も注目されるクラブ戦があまりないので、前回に続き、また代表サッカーについて書きたいと思う。具体的に、前回のコラムに、
『これぐらいの方がちょっと躍進できただけで喜べるちょうどいいレベルなんだぜ?イングランドとか優勝しないと喜べないだろ』
というコメントを頂き、ここで挙げられた2つの面白いポイントについていろいろと考えてきた。
もちろん、日本のサッカーがここ15~20年でかつてない急成長を遂げてきたということは、いくら強調しても強調し過ぎることはないだろう。しかし、この点は確かに、ヨーロッパではあまり認識されていないかもしれない。これは何故かと言えば、多くの欧州サッカーファンはいわゆる「トップレベル」の国内リーグやチャンピオンズリーグで頭がいっぱいというのももちろんあるが、日本は高度な経済力や技術力で知られていることから、どの分野においても、世界舞台に立ってもおかしくないという感じがあると思う。現在は毎回、W杯に出るが、たった11年前のフランス大会までは出場権を1回も得ていなかったことも忘れてはいけない。個人的に、Jリーグ開幕とゲリー・リネカーの来日の頃から日本のサッカーを興味深く観察してきたが、ほぼ20年も経っており成長は減速の兆しを見せず、外国人の私でも大変喜んでいる。今回は議論しないが、今やJリーグが欧州と中南米を除き、世界一の国内リーグとも言える。
しかし、私の前回言いたかった要点は結局、今月のW杯アジア予選で十分証明されただろう。日本代表は韓国とオーストラリアとともに、予想通りに2試合(最終予選の8試合の4分の1)も残し、余裕を持ち南アフリカへの出場権を獲得できた。そこで、ヨハネスブルクでの開幕戦まであと1年を切り、アジア枠の4.5ヶ国のうち、3つがすでに埋まっていた。たぶん、自分の国だと捕らぬ狸の皮算用はしないが、客観的に見ると、大失敗がなければ岡田ジャパンは無事に突破するということは最初から分かっていた。このように楽に突破できるというのはもちろん素晴らしいことであるが、私にとっては、2007年のアジアカップ敗退から現在まではドキドキすることがあまりなく、実に面白いチャレンジはこれからである。
因みに、イングランドでは確かに、1試合だけ勝てば「必ず優勝する」、1戦だけ負ければ「史上最低」と極端に言ってしまう癖があるが、イングランド代表は1966年W杯の1回しか優勝していないので、必ずしも優勝しなければ喜べないわけでもない。スティーブ・マクラーレン監督がユーロ2008予選敗退を喫して以来、サポーターやマスコミの期待はより現実的になってきているが、一般的に世界ランキングで6~10位以内のチームとして、W杯やユーロで準々決勝敗退がイーブンパーの成績になる。だから、1990年W杯イタリア大会や自国開催のユーロ96のように、ベスト4まで進め1つでもアンダーになるときは、全国が一体となり、普段はサッカーを見ないおばあさんまで大いに興奮する。サー・ボビー・ロブソンは(8ヶ国のユーロ84で予選敗退、1986年W杯とユーロ88でベスト8敗退という成績を残してから)イングランド代表を1990年の準決勝へ導いたことで、結局スヴェン・ゴラン・エリクソン(2002年から2006年まで3大会連続で準々決勝敗退)と同じくイーブンパーで代表監督キャリアを終えたが、1バーディーを奪ったおかげで、ロブソン時代はエリクソンとは違い、いつまでも懐かしく思い出される。
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コメント
結構現実的なんですね
サッカー発祥国でプレミアリーグの充実振りから多少最近の成績が悪くても優勝がノルマになってるのかと思ってた
投稿: | 2009年6月21日 (日) 13時42分
「今回は議論しないが、今やJリーグが欧州と中南米を除き、世界一の国内リーグとも言える。」のところがすごく気になりました。世界一と言う言葉にも色々な意味があると思いますが、成長スピードが世界一と言う事なのでしょうか?
投稿: | 2009年6月22日 (月) 16時39分
いや、その~はっきりベスト4なんてムリだ、ってはっきり言ってください・・・
投稿: | 2009年6月22日 (月) 22時43分