新型インフルエンザで関西のサッカーも寝たきり?
新型インフルエンザの国内感染は大阪府と兵庫県にとどまっているにもかかわらず、感染者はすでに170人を超え、発祥地のメキシコと北米地域を除き、世界で最も多い数である。この1府1県に集中されているということで、大阪や神戸の各組織や自治体が感染拡大を防止する為に様々な対策を実施しており、大阪大学をはじめ、多くの学校や職場が休学・休業することになっている。
もちろん、新型インフルエンザの影響が、多くの観客が集まりスタジアムに詰めかけるサッカーにも及ぶことはいうまでもない。運悪く偶然にも、感染者が確認された1府1県のJリーグチーム(ガンバ大阪・セレッソ大阪・ヴィッセル神戸)は全て、今週末にホームで試合を開催する予定であるので、この3クラブは現在、臨時対策や試合中止について、Jリーグや日本サッカー協会、各自治体と検討を進めている。ヴィッセルでは、サッカースクールの活動がすでに休学となり、練習場のファンサービスも全て中止となっているが、ガンバは今週の水曜日(20日)にもFCソウルとのACLグループリーグ戦があり、無観客での開催に向け、調整に入ったという報道もあった。結局、18日のニュースリリースによると、試合は通常通りに開催されるようであるが、いつものファンクラブイベントは休止となり、サポーターや運営スタッフに対して多くの予防策も発表されている。
メキシコでは、先週末のクラウスラ(閉幕ステージ)プレーオフ戦で4試合が全て無事に行われた。しかし、南米・コパ・リベルタドーレスに招待出場していた2チーム、グアダラハラとサン・ルイスはグループリーグを突破したものの、新型インフルエンザの拡大を防止するために、決勝トーナメントの直前に敗退を余儀なくされた。当初、それぞれのホーム戦をコロンビア、またはチリで開催する提案が挙げられたが、現地の反対を受け、結局2チームの大会離脱が決定的となった。その判断の背景には、先月、チリのエベルトンとのグループリーグ戦で、グアダラハラのエクトル・レイノソ選手が「新型インフルエンザが移るぞ」と言いながら、相手の顔に唾を吐きかけた事件もあった。
メキシコのテレビニュース映像が先月から世界中に流されているが、あそこから約1万4000キロも離れた日本でも休学など、人々の生活に直接影響があると、急に身近なものになり、実感が湧きはじめる。しかし、ガンバとJ1首位の鹿島アントラーズの対戦など、週末の試合にも影響が及ぶ場合は確かに残念だろうが、サポーターや関係者は事実を適切にとらえ、冷静に対応しなければならない。今回の新型インフルエンザは通常の季節性インフルエンザより命にかかわるわけでもない。また、サッカーファンにしばらく迷惑がかかるとしても、パンデミックを防止するためならしょうがない。
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