いよいよ開幕: ②上位争い
(前回から続く)
リーグでの2連覇に続き、鹿島アントラーズは28日の富士ゼロックススーパーカップでガンバ大阪に3対0で快勝し、今年も相変わらず強豪チームであるが、これが3、4年前だったら、かつてない3連覇を果たす可能性が高いと私も考えていただろう。しかし、ACLの注目や日本勢の優勝確率が高まっている中、鹿島のリーグ連覇はガンバと浦和レッズのアジア制覇によって影が多少薄くなり、クラブワールドカップの出場権も2年連続で奪われてしまった。昨年のACLベスト8で鹿島を倒したアデレード・ユナイテッドはその後、ACL決勝戦とクラブワールドカップでガンバに3回も圧倒されたので、それを見た鹿島の悔しい思いがさらに募っただろうし、今年はリーグよりもアジアの戦いを優先するのも無理はない。
それでは、鹿島の地位を奪い取るチームはどれだろう?今週のコラムで、ジェレミー・ウォーカーはリーグ優勝のダークホースを選ぶという問題について語ったが、今年の開幕に向かってJ1の魅力と言えば、やはり6つのチームからどれが優勝してもおかしくない、というところである。こうした中、オーナーの野心や投資があるにも関わらず、ヴィッセル神戸のようなクラブは中位から抜け出し、ACL圏までランクアップするという夢が、叶いそうといは言い難い。近頃の経済危機を背景に固まりつつある移籍市場では、ヴィッセルは横浜Fマリノスなどと違い、順位を上げるために選手の取引を積極的に行っており、今年のスタメンで新人が4人も出るかもしれない。しかし、大分トリニータ、FC東京や清水エスパルスのパフォーマンスが大幅に落ちない限り、ヴィッセルのファンやオーナーはまず8位以内という、緩やかな向上で納得するしかないだろう。
ACLは今年から拡大するものの、浦和はリーグで優勝した2006年以来3年ぶりに出場しないため、4つのライバルが苦労する連戦や国際移動にとらわれず、国内のタイトルだけに集中できる。しかし、フィンケ新監督が昨年の問題をどの程度まで解決できるかというのは、大きな課題である。今年は過渡期で、チームの調和と魂を取り戻すことが主な目的だとすると、ACL圏内の3位でも受け入れられないことはないだろう。一方、ガンバは昨年のカップ戦では国内外ともにタイトルに輝いた反面、リーグでは終始苦しみ、8位で終了したので、今年は欠点を改め、再び優勝に挑むことが最優先だろう。移籍は守備とフォワードで、Jリーグや代表の舞台で実績を残している選手がそれぞれ2人ずつ入団し、昨年の物足りないところはうまく補っている。しかし、タイトルのチャンスはこのニューフェースも合わせて、チーム作りがいかに早くできるかにかかっている。
今年のACLは名古屋グランパスと川崎フロンターレにとって、それぞれ初めてと2回目の出場となり、ガンバや鹿島と比べて経験がまだ浅いと言える。そのため、昨年に順位を大幅にあげたこの両クラブは、アジアの舞台で戦いながらも進歩をさらに続けられるかどうかはまだ言い切れない。しかし、昨シーズンの成功に貢献したメンバーはほとんど変わっていないし、タイトルはJ2優勝(川崎)と1990年代の天皇杯(名古屋)しか飾っていないチームとして、リーグ優勝こそがトップチームと認められる鍵である。グランパスは清水に移籍したフローデ・ヨンセンの穴を元コンサドーレ札幌のダヴィで埋めたが、その得点力は優勝争いを決定的に左右するではないかと思う。
2009年J1順位予想
① 名古屋グランパス
② 川崎フロンターレ
③ ガンバ大阪
④ 鹿島アントラーズ
⑤ 浦和レッズ
⑥ 大分トリニータ
⑦ FC東京
⑧ ヴィッセル神戸
⑨ 清水エスパルス
⑩ ジェフユナイテッド千葉
⑪ 横浜Fマリノス
⑫ 柏レイソル
⑬ サンフレッチェ広島
⑭ 大宮アルディージャ
⑮ アルビレックス新潟
⑯ 京都サンガ
⑰ ジュビロ磐田
⑱ モンテディオ山形
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投稿: | 2009年3月 9日 (月) 16時03分