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Qワード: クラブワールドカップを振り返って

2009/03/18(水)

その達成にはまだ遠いが、マンチェスター・ユナイテッドが複数のタイトル争いを戦っている中、「5冠王」を意味する「Quintuple(クインチュープル)」という単語が今シーズン、イギリスのサッカー語彙に加わっている。昔、リーグとFAカップという「ダブル」(2冠王)だけでもとらえどころがなかなかなかったが、1994年~2002年の9シーズンでユナイテッドとアーセナルがダブルをそれぞれ、3回と2回果たして以来、この珍しいイメージが少し薄まってきた。しかし、UEFAチャンピオンズリーグも含む「トレブル」(3冠王)はイングランドのチームには1回(1999年のマンチェスター・ユナイテッド)しか達成されていないし、さらにリーグカップという大会も含む「Quadrupleクァドループル)」(4冠王)という話もたいてい、マスコミの誇張であり、長続きはしない。世界のサッカーで、同じシーズンに4つの主なトロフィーをすべて獲得できたのは、1967年のセルティック(スコットランド)だけと言える。

 

だが、こういった背景があるにも関わらず、今シーズンのユナイテッドはすでにクラブワールドカップとリーグカップを獲得しており、終盤に差し掛かって残りの3つでも本命候補とされているので、クインチュープルという新サッカー用語が現れてきた。しかし、つい先月まで、同じ全勝を4冠王のクァドループルと呼んでいたアナウンサーやサポーターも多くいた。今でも、もう1つの「Qワード」、クインチュープルが一般に認められてはいるが、ライバルのファンはまだ5冠王の意義を問う。「あの日本の大会」も入るか?入るなら、コミュニティーシールドとか、プレシーズンの親善試合も?

 

イギリスのマスコミでも、同じような声がある。クラブワールドカップの期間中には新聞やテレビに報道が比較的少なく、それに、クラブワールドカップの名前を正しく覚えている解説者なども少ないようである(確かに、何回か変わったというのもあるが)。2007年の秋、タイムズ新聞サッカー・ポッドキャストでは、ガブリエル・マルコッティとギエム・バラゲは同年の決勝戦(ミラン4、ボカ・ジュニアーズ2)がイギリスで中継されなかったことを嘆き、欧州大陸の国がより関心を持っていると言っていたが、イギリス国内の記者はほとんど、この見解{けんかい}を共有しなかった。

 

とにかく、少なくともユナイテッドのファンはクラブワールドカップを尊重している。もちろん、自分の好きなチームが優勝した時点で評価したくなるが、マット・バスビー監督がチャンピオンズカップ優勝にチャレンジした1950年代から、ユナイテッドは固定概念に抵抗し、新しい領域にも食い込もうとする決意を持ち続けてきた。時代も状況も1950年代とは違ったが、ファーガソン監督自身もこの伝統を受け継ぎ、横浜で優勝しなくてはならないという決意を選手にも感じさせた。ほかのクラブのサポーターが何と言おうと、ユナイテッドのファンは世界チャンピオンのマークを掲げる新しいユニフォームを、誇りを持って着るだろう。

 

もちろん、近いうちには、クラブワールドカップがUEFAチャンピオンズリーグよりも大切な大会へと成長することはないだろう。世界タイトルを獲得するには、ユナイテッドが2試合しか勝たなかったという、一つの批判がある。しかし、アジアの準優勝者としてセパハンアデレード・ユナイテッドにも出場権を与えたルールを除けば、現在のフォーマットに問題が特にない、と私は思う。少なくとも、1試合だけで勝負するトヨタカップより、全世界のチームが参加する大会のほうが良いだろう。確かに、世界タイトルをさらに充実したクラブワールドカップで戦えば良いかもしれないが、ヨーロッパ勢は国内やチャンピオンズリーグの日程で忙しい中、喜んで時間を割いて3試合以上もして欲しいと言っても、かなり非現実的である。

 

ここ、つまりヨーロッパ勢も積極的に参加するという点は、やはりポイントである。昨年のクラブワールドカップは今でも、ガンバ大阪の選手のインタビューで言及され、一生心と記憶に残るだろう(リガ・デ・などの関係者もきっと同様だろう)。日本の各クラブはガンバと浦和レッズを羨ましく見て、自らもいつかアジア王者になり、マンチェスター・ユナイテッドやミランといったビッグクラブと直接対戦ように、レベルアップしようとしている。やがて、対戦するだけにとどまらず、世界舞台でヨーロッパ勢を倒すことが主な目的になってくる。イングランドのサッカーファンはプレミアリーグで、持てる者と持たざる者の格差が広がっていることを嘆くので、ほかの地域のチームにチャンスを与えたくないという態度は、非常に偽善的である。

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投稿: “My”アフィリエイトスカウト事務局 | 2009年3月20日 (金) 16時50分

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