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大阪の現況: ②その解決案

2009/02/17(火)

前回から続く

 

大阪にはガンバセレッソもあるが、このほか、2チームが同じ都市名を名乗っている例は東京と横浜の2つしかなく、この特徴は珍しい利点とも考えられる。何故なら、世界中のサッカーは地元と深い関係{のうりょく}を培うというホームタウンの理想だけではなく、チーム同士のライバル感にも力を得て栄えるからである。身近にライバルがあれば、チーム自体の切磋琢磨にも繋がるが、それよりも、地元サポーターの関心が高まるという効果も生まれる。しかし、これを実現するには、まずはそれぞれのチームが何を代表しているかを、はっきりと明確にする必要がある。

 

サッカーの町は宗派(スコットランド・グラスゴーのセルティックレンジャーズ)から社会階級(アルジェンチン・ブエノスアイレスのリバー・プレートボカ・ジュニアーズ)や政治(スペイン・バルセロナエスパニョール)など、様々なアイデンティティによって分裂している。しかし、最も一般的な分け方はもちろん地理上の境界線であるが、「大阪」という名前に愛着が強い大阪でも、地理的に二等分するのが比較的容易である。何故かというと、梅田と心斎橋・難波という都心がそれぞれ「キタ」と「ミナミ」というあだ名で知られているほど、大阪には明らかな南北分割が見られる。従って、「吹田市」や「北摂エリア」というような行政区画はサッカーでは物にならないが、大阪を中之島や本町で分け、いわゆる北部がガンバで南部がセレッソということにすると、きっと使い物になるだろう。

 

もちろん、このようなホームタウン革新を実施するにあたり、両クラブが一丸となって取り組む必要もある。ここに曲折も予想されるが、大阪でサッカーに対する全体的な関心を促進するというのは、個々のクラブの成長のためにも最も効果的な方法である、ということを認めると、こういった協力のベネフィットが分かる。また、「私たちはキタ派」、「私たちはミナミ派」や、より競争的な「私たちこそが大阪」というような共同マーケティング戦略なども考えられる。もし、このような活動がアイデンティティという効果をうまくもたらせば、神戸や京都など、大阪以外のチームや地域に広げることもできる。

 

この提案にデメリットももちろんある。セレッソは現在の勢力圏から大阪市の一部を失ってしまい、ガンバもビッグクラブになろうとしている中で、南大阪と距離を置きたくないかもしれない。しかし、密な協力による社会的統合や共存共栄はこういった欠点を遥かに上回るのに違いない。関西のクラブに子供のサポーターが比較的に多いので、このクラブ同士のライバル感が学校や遊び場の話題にもなれば、将来性が確実にある。社会的な問題について資本主義的な比喩を用いてしまうが、小さなパイのシェアを争うのではなく、このようにパイを全体的に大きくするほうが、ガンバとセレッソにとって相互利益に繋がるだろう。

 

世界中の注目を集めるミランダービーは15日に行われ、インテルが2対1で地元ライバルのACミランを破り、セリエAの4連覇へ大きな一歩を踏み出した。その結果、町の人口の半分は大いに興奮している一方、残りの半分は月曜日の出勤や通学に気がほとんど進まなかっただろう。ガンバ対セレッソは何十年経っても、同じように世界{せかい}の注視{ちゅうし}を浴びることはないかもしれないが、大阪の職場や学校もこういった、世界の各国にあるようなサッカー意識とライバル感で盛り上がる日は、いつ訪れるだろう。

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コメント

地域事に勝手に住み分けして、スタジアムに集まって代理戦争ですか
自分の地元に勝手に線を引かれて、線の向こうの地域の人に、敵地にされて...

サッカーの熱狂的なサポーターなら盛り上がっていいんでしょうが
サッカーをあまり観ない府民からしたら迷惑です
そんな風潮になるんなら、セレッソもガンバもいりません。

投稿:    | 2009年6月20日 (土) 01時10分

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