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希望に溢れる、移籍の窓

2009/01/20(火)

アジア初制覇、クラブワールドカップで3位、Jリーグ時代の天皇杯初優勝。名目上は、2008年はガンバ大阪の歴史に残る、素晴らしい1年となった。しかし、より深く見てみると、遠藤保仁らの安定した中盤をもとに大成功を博した秋の季節はチームの欠点を隠した。大混戦の影響もあったが、2007年までは年々進化を重ねていたものの、昨年は1年を通して勝点も得点も大幅ダウンとなり、失点も著しく増えてしまった結果、結局5年ぶり最低の8位でリーグを終了した。近頃の経済危機を背景に、日本の移籍市場が欧州と同じように固まりつつあるが、西野監督は昨シーズンの栄光に満足せず、ライバルに先駆け補強に力を入れていることは驚くに当たらない。

 

シーズン途中、バレーの突然離脱はもちろん、その直後10試合も続けて勝てなかったことから分かるように、低迷の主因の1つだった。ロニーがピンチとして入団したにも関わらず、(リーグ戦では)3年連続で70以上だった得点数がいきなり46まで下がり、とてもガンバらしくない成績だった。しかし、西野監督はフォワード陣の入れ替えに対応する経験が十分あり、今年もアラウジョ、マグノ・アウベス、バレーとルーカスと同様に、Jリーグ経験のある外国人選手を獲得した。ヴィッセル神戸から入団するレアンドロは昨年けがに苦しんだが、日本キャリア通算115出場で55ゴールという記録を誇る。また、韓国代表の曺宰溱も清水エスパルス時代(20042007年)に122出場で53ゴールを挙げ、1年帰国してからJリーグへ復帰する。ルーカス、山崎雅人と播戸竜二に加え、今年のフォワード陣は有り余るほどの人材がある。

 

フォワード陣の破壊と創造に関しては、西野監督の履歴に疑う余地がないが、守備陣は別の問題である。ガンバはもちろん堅守というより、相手に3点取られても4点を取ろうというイメージが強いが、2005年のJ1優勝に輝いたディフェンスの後継者がなかなか見つかっていない。昨年、水本裕貴、福元洋平とミネイロが入団し期待されていたが、それぞれの理由で全くうまくいかず、3人とも同年に退団するまで、リーグ戦で合わせて僅か346分の出場時間しか得られなかった。今年のニューフェースはもう少し経験ある選手であり、特に日本代表の高木和道はディフェンスの中心として頼りになりそうである。新しく設けられた「アジア枠」の選手として、朴東赫の移籍は少し意外であり、2005年から韓国代表に選出されていないが、2008Kリーグのベストイレブンには選ばれ、2006年のA3チャンピオンズカップでガンバに6対0と圧勝した蔚山現代ホランイのスタメンの1人だった。

 

しかし、オーストリアのレッドブル・ザルツブルクから帰国する、宮本恒靖の移籍先はガンバ大阪ではなく、関西ライバルのヴィッセル神戸である。ユースから15年にもわたったガンバ時代にスポンサーや大勢のファンには愛されていたが、代表のために力を温存するという声もあり、ジーコジャパンのキャプテンを務めながらもクラブでスタメン落ちのときもあった。海外で挑戦した日本人選手がJリーグに戻ると古巣へ復帰するケースが多いが、大黒将志も東京ヴェルディに行ったし、西野監督は宮本にもう一度チャンスを与える可能性がそもそも低かっただろう。

 

宮本のオーストリア挑戦は大成功でもなく、失敗でもなかったが、ヴィッセルに移籍したきっかけは間違いなく、ACL出場権を獲得したいという、クラブやオーナーの決意だった。この目標に向けて他にも、離脱したレアンドロと大久保嘉人の穴を元日本代表の我那覇和樹と元ベンフィカのマルセウで埋めるなど、選手の出入りは活発である。今年の市場は関西以外では熱いとは言えないが、私の意見で最も目立つのはダヴィが名古屋グランパスへ移籍したことである。ダヴィは昨年、勝点18で最下位のコンサドーレ札幌で(第33節の名古屋戦も含め)16得点も取ったが、グランパスでは小川佳純のアシストにも恵まれ、ACLの舞台でも更なる活躍を期待できるだろう。

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