上はほぼ決定も、昇降格はまださっぱり
Jリーグでなければ非常におかしな言い方であるが、6日のJ1最終節に向けて、優勝候補がたった3つしか残っていない。11月29日、カシマスタジアムの後半ロスタイムまで、アントラーズは残留へ必死に戦っていたジュビロ磐田から得点をなかなか奪えず、一瞬、首位と5位の差が勝点3に縮まりそうだった。しかし、岩政大樹の最後の最後のヘッディングゴールで鹿島が土壇場の勝利をもぎ取り、名古屋グランパスが13得点の差で大分トリニータに完勝しない限り、最下位のコンサドーレ札幌に負けなければ鹿島の2連覇が決定的となる。
もちろん、Jリーグだからこそ「もう終わり」とは言いきれず、昨年の浦和レッズという前例も忘れてはいけない。首位の浦和は最終節で勝てばチャンピオンだったが、降格が既に決まっていた横浜FCに何と1対0で敗れ、鹿島に追い越され2連覇を逃してしまった。また、札幌は第19節以降の15試合で2分け13敗という、当時の横浜FCとほぼ同じく絶望的な記録を残しているが、11月23日の東京ヴェルディ戦と30日の名古屋戦ではそれぞれの相手を困らせることができ、しばらく最後のJ1戦でも波紋を投じたいだろう。
しかし、ACL制覇の影響で厳しい連戦の最中だった、昨年の浦和とは違い、鹿島にはこの後、天皇杯もなくシーズンが札幌戦で終了するので、最後の90分まで戦える余力は残っているはずである。2位の名古屋(勝点58、得失13)と3位の川崎フロンターレ(勝点57、得失21)にとっては、鹿島(勝点60、得失25)を逆転することはまだ諦めていないが、まずはACLの出場権を4位の大分(勝点55、得失9)と5位のFC東京(勝点55、得失6)から守らなければならない。それでも、名古屋は大分でトリニータとの直接対決に向けて、得失点差に余裕があり、3点以上で負けなければ、来年のACLはセーフである。
岩政の得点は残留争いにも大きな影響を与え、この相変わらず続く大混戦は今なら、上の争いよりも興味深い。このゴールは15位のジュビロ(勝点37、得失-7)にとって、10月のガンバ大阪戦も思い起こさせる、アンラッキーなタイミングだった。私はその日、横浜Fマリノス対東京ヴェルディの「クラシコ」を生観戦したが、16位のヴェルディ(勝点37、得失-10)も前半を元気に戦ったものの、残留争いならよくあることに、先制されるとペースが崩れ、結局2対0で負けてしまった。この両試合より1時間早くキックオフしたジェフユナイテッド千葉(勝点35、得失-19)も敗戦していたので、ジュビロとヴェルディが勝点1だけ上積みすれば自動降格を回避するチャンスだったが、17位の千葉は少なくとも、最終節のFC東京戦まで執行猶予を与えられた。
皮肉にも、ヴェルディは旧川崎ダービーでフロンターレを迎えるので、東京の両クラブは互いに助け合うことも考えられる。ジュビロとのアウェイ戦に臨む13位の大宮アルディージャ(勝点40、得失-10)と、ガンバを迎える14位のアルビレックス新潟(勝点39、得失-15)には自動降格の恐れはもうないが、入替戦圏内の16位に落ちる可能性は依然として残っており、安心はまだできない。
因みに、私はクリスマスショッピングの関係で初ビッグスワンがまた延長になってしまうが、今週末の生観戦として久々、長居スタジアムに行く予定である。J2で現在3位のベガルタ仙台は30日、サガン鳥栖に敗れたため、4位のセレッソ大阪との勝点差はわずか1に縮まり、後者の入替戦によるJ1復帰がまだ可能である。ガンバのファンとして複雑な気持ちではあり、絶対にホーム側には座らないが、やはり大阪ダービーが戻ればかなり楽しみになる。
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