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2008年12月

ガンバ大阪3、マンチェスター・ユナイテッド5

2008/12/19(金)

最高だった。

 

気持ちは確かにかなり複雑だったが、結局喜びにくかったのは、マンチェスター・ユナイテッドの4点目と5点目だけだった。ペースの速いプレーでゴールそのものは見事だったが、やはり3点以上の差になるとガンバが可哀想、と私も思った。しかし、4-3-3のシステムを選び、最初から攻撃に拘った西野監督のガンバは最後まで諦めず、PKで獲得した2点目にもとどまらず、素晴らしい3点目まで決めた。ユナイテッドは既に温存モードに入り、結果は変わらなかったとは言えるかもしれないが、その橋本英郎の得点は、ガンバの選手・関係者・サポーターと、日本のサッカーにとっても、大きな刺激となっただろう。

 

昨年、浦和レッズはACミラン戦でゴールをしっかり守り、0対1というスコアは3対5より惜敗に近い結果に見えるが、ヨーロッパとアジアから攻撃的なチームがぶつかり合った試合でガンバもガンバらしいプレーを見せ、合わせて8ゴールも上がったことは、より印象的だったに違いない。クラブワールドカップの意味はヨーロッパでは問われるが、ガンバのこの経験は、お金では買えない宝物である。

 

ガンバの応援も、BBCのウェブサイトにもコメントがあったほど、印象を残したようで、私は今回ニュートラルの席で観戦したが、このことも誇りに思える。昨日の準決勝は終始、理想的な試合だった。

 

ところで、くだらない話かもしれないが、帰りの新幹線で次の計算をしてみた。

 

マンチェスター・ユナイテッドは10年に1回チャンピオンズリーグで優勝する

ガンバ大阪は2年に1回ACLに出場し、5出場に1回優勝する

両方とも同じクラブワールドカップに出場すると、対戦する可能性は50%

 

とすると、ユナイテッドとガンバの公式対戦は、200年に1回だけのことになる。もちろん、この机上の計算には、日本開催や8ゴールの可能性は含んでいない…

 

今年のクラブワールドカップの開催は例年より1週間遅く、決勝戦は帰国予定と重なってしまったが、この世紀(千年紀?)の一戦が見られて、一生忘れられない。

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叶った

2008/12/16(火)

今年のクリスマスは1週間早めに来る。ACL決勝のような完勝はなかったが、プレーオフでワイタケレ・ユナイテッドに辛勝したアデレード・ユナイテッドとの再試合で、ガンバ大阪は1対0でぎりぎりの勝利を収め、FIFAクラブワールドカップ準決勝進出を決めた。大きなステージという緊張感を感じていたか、まずは初戦だけに集中すると西野監督が強調しながらも選手やサポーターはやはり相手を少し軽視してしまったかもしれないが、内容はともかく、結果が大事である。次は夢のように、18日に横浜国際競技場で、世界の名門のマンチェスター・ユナイテッドと対戦する。

 

ジェレミー・ウォーカーもコラムで語る通り、クラブワールドカップの意味はこのような試合にある。ヨーロッパではUEFAチャンピオンズリーグが最頂点と見られ、実力且つ経済上では確かにその通りであるが、クラブワールドカップの存在そのものが既に、4年間という短い歴史で各地域のサッカー発展に繋がっている。ACLも活性化され、関心が著しく高まってきた日本では、各クラブはアジアと世界のトップへ挑戦するチャンスに向けて(また、その経験を通じて)レベルアップを図っている。昨年の浦和レッズは日本勢で初めてのACL王者として、ACミランと対戦し史上初の欧州対アジアの公式戦も実現したことが、埼玉だけではなく、全国やアジアのサッカーファンにも夢を育ませた。これからの勝敗を問わず、今年のガンバも夢に手が届いた。

 

もちろん、ACミランに続き、マンチェスター・ユナイテッドも伝統あるあるクラブであり、イングランドのサッカー界の中でも開拓者という評判も誇る。協会の反対にもかかわらず、マット・バスビー監督の決意のおかげでイングランドのクラブも1956年から当時の欧州チャンピオンズカップに出場することになり、1958年のミュンヘンの悲劇では多くの主力選手を失ったが、僅か10年でチームが立て直され、イングランド勢で初めて1968年のヨーロッパ王者に輝いた。同年のインターコンチネンタルカップにも出場し、アルゼンチンのエストゥディアンテスに敗れたが、リバプールやノッティンガム・フォレストが獲得できなかったトヨタカップを、マンチェスター・ユナイテッドが1999年にブラジルのパルメイラスを倒し優勝したことは、現在のサー・アレックス・ファーガソン監督にとって自慢できる実績である。その数週間後も、ブラジルで開催された第1回のFIFAクラブ世界選手権にも出場し、今年のクラブワールドカップでも、日本までやってくる面倒を乗り越え、歴史{れきし}に重要{じゅうよう}な足跡{あしあと}を残したいだろう。

 

ディミタール・ベルバトフが移籍して以来、ユナイテッドは少しフォーメーションで悩み得点力も昨年と比べ落ちてきたが、ネマニャ・ヴィディッチとリオ・ギャヴィン・ファーディナンドを中心に守備が相変わらず粘り強く、リーグ戦で5試合続けて無失点である。ガンバとユナイテッドのスタイルは両方とも何より攻撃的と言えるが、こういったことを考えると、得点の多い試合になるとは限らない。しかし、ペースもテンションも高くなることは確かであり、ほかの準決勝を戦うLDUキトとパチューカも攻撃的なサッカーを好むので、このクラブワールドカップの残りも見事なプレーを期待できるだろう。

 

幼い頃から愛してきたマンチェスター・ユナイテッドと、第2の故郷で応援団の一員として活躍してきたガンバ大阪。私にとって、この試合は夢にも思わなかったほどの対戦であり、実感がまだまだ湧かない。ユナイテッドはビッグクラブながらヨーロッパ制覇はまだ3度であり、ガンバは僅か5年前、私が初めて万博(の当時の芝生)で生観戦したときにはアジアどころかJリーグの優勝候補でもなかった。今年はまるで、最高で偶然の一致である。

 

どちらを応援するかというジレンマは、今年の春からも悩んでいるが、結論に到達せず、チケットもクラブ枠ではなくFIFAのウェブサイトで購入したので、席はどちら側になるかもまだ分からない。複雑な気持ちでユニフォームを2枚とも着ていくしかないが、永遠に続くPK戦が有り得ない限り、やはりユナイテッドが辛うじて勝てば最も互いに満足できる結果だろう。とはいえ、個人的には完全にWIN-WINの立場にあり、私のガンバが私のユナイテッドと対戦し、私の母国の人にも知ってもらうことは、何よりの喜びである。

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いよいよクラブワールドカップに向けて

2008/12/10(水)

鹿島アントラーズは6日、無事にコンサドーレ札幌を倒し、Jリーグでめでたい2連覇を達成したが、オリベイラ監督や選手たちの大喜びの中、少々悔しい面もあっただろう。FIFAクラブワールドカップは2007年大会から開催国枠も設置しているが、日本勢で初めて同年のACLを制覇した浦和レッズに続き、今年もガンバ大阪がアジアチャンピオンに輝いたため、この世界の舞台に立つチャンスは2年連続で鹿島から奪われ、代わりにACLの準優勝クラブ(今年はアデレード・ユナイテッド)に与えられた。

 

同一国から最大1チームしか出場できないというルールは、基本的には理解できるが、同一地域から2チーム以上はベスト4まで進出できないという条件も適用されると、少し奇妙な結果に繋がる。つまり、このACL準優勝者がオセアニアのクラブとのプレーオフを勝ち抜けば、ベスト8の相手は必ず同じアジアの王者になる。アデレードはまず11日の開幕戦で、アマチュアということでレベルが遥かに違うと自ら認めるニュージーランドのワイタケレ・ユナイテッドに勝たなければならないが、昨年の浦和対セパハンのように、準々決勝はガンバとのACL決勝戦の再試合になりそうである。これより、世界の舞台での、ガンバ対鹿島という日本同士の対決のほうがサポーターにアピールするだろう。

 

あるドイツの記者の有名な言葉で、FIFAのゼップ・ブラッター会長は「毎日50の新しいアイデアを思いつき、そのうちばかげているものが51ある」とされているが、ガンバはとにかく、文句を言わないだろう。たった1ヶ月前にホーム&アウェイとも圧倒した相手をもう1回破らなければ終わりというのは少しアンフェアとも思われるが、日本一の鹿島より、アデレードに勝ち抜く可能性のほうが高い。もう1つの準々決勝は土曜日のお昼キックオフというのに対し、この試合は何故か日曜日の夜で、大阪への新幹線もなくなるため、多くのサポーターは夜通し、車やバスで帰らざるを得ないことになる。しかし、ガンバにとってはもちろんタイトルよりも、マンチェスター・ユナイテッドとの準決勝が目標であるので、ACLの勢いを維持してこの夢の試合を実現すれば、月曜日の仕事はどんなに大変でもしっかり乗り越えられるだろう。

 

ヨーロッパにおいて、クラブワールドカップに対する関心はほかの地域ほど高くないというのは事実であり、マンチェスター・ユナイテッドは横浜に行く前、13日の夕方(日本時間では14日の早朝)にトッテナム・ホットスパーとアウェイ戦もある。にも関わらず、ファーガソン監督は世界タイトルだけを目指し、フルメンバーで来日するので、ユナイテッドが間違いなく優勝候補の本命だろう。一方、エクアドルのLDUキトは少し意外な南米チャンピオンと言える。大方の予想では、ブラジルの名門であるフルミネンセがコパ・リベルタドーレス決勝戦で勝利し、(先週、ガンバから移籍オファーが届いたとされている)元浦和レッズのワシントンが再び日本のピッチに出ると考えられていた。しかし、LDUキトはPK戦で優勝を決め、エクアドルのクラブで初めての南米タイトルを制した。

 

左サイドのルイス・ボラニョス23歳)を中心に、LDUキトの攻撃は軽視してはいけないが、逆サイドのホフレ・ゲロンはスペインのヘタフェへ移籍したというのもあり、モチベーションがいくら高くても、マンチェスター・ユナイテッドに勝つにはさらにレベルアップが必要だろう。今年の準決勝でも、メキシコのパチューカ、または全アフリカの名門とも言えるアル・アハリ(エジプト)というハードルも非常に高く、欧州・南米以外の代表が決勝に上がる可能性も確かにある。

 

この大会は60年代の暴動頻発や70年代の出場辞退など、インターコンチネンタルカップの時代から現在のクラブワールドカップとしてのフォーマットに至るまで、様々な問題に直面してきた。しかし、生き残るようにFIFA側が積極的に推進している中、欧州・南米だけではなく、全体的な競争力が高まれば高まるほど、将来性もある。今年はガンバ大阪、マンチェスター・ユナイテッドやLDUキトなどから攻撃的なプレーも期待できるので、今までにないレベルのクラブワールドカップを世界のサッカーファンに見せて欲しい。

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上はほぼ決定も、昇降格はまださっぱり

2008/12/03(水)

Jリーグでなければ非常におかしな言い方であるが、6日のJ1最終節に向けて、優勝候補がたった3つしか残っていない。1129日、カシマスタジアムの後半ロスタイムまで、アントラーズは残留へ必死に戦っていたジュビロ磐田から得点をなかなか奪えず、一瞬、首位と5位の差が勝点3に縮まりそうだった。しかし、岩政大樹の最後の最後のヘッディングゴールで鹿島が土壇場の勝利をもぎ取り、名古屋グランパスが13得点の差で大分トリニータに完勝しない限り、最下位のコンサドーレ札幌に負けなければ鹿島の2連覇が決定的となる。

 

もちろん、Jリーグだからこそ「もう終わり」とは言いきれず、昨年の浦和レッズという前例も忘れてはいけない。首位の浦和は最終節で勝てばチャンピオンだったが、降格が既に決まっていた横浜FCに何と1対0で敗れ、鹿島に追い越され2連覇を逃してしまった。また、札幌は第19節以降の15試合で2分け13敗という、当時の横浜FCとほぼ同じく絶望的な記録を残しているが、1123日の東京ヴェルディ戦と30日の名古屋戦ではそれぞれの相手を困らせることができ、しばらく最後のJ1戦でも波紋を投じたいだろう。

 

しかし、ACL制覇の影響で厳しい連戦の最中だった、昨年の浦和とは違い、鹿島にはこの後、天皇杯もなくシーズンが札幌戦で終了するので、最後の90分まで戦える余力は残っているはずである。2位の名古屋(勝点58、得失13)と3位の川崎フロンターレ(勝点57、得失21)にとっては、鹿島(勝点60、得失25)を逆転することはまだ諦めていないが、まずはACLの出場権を4位の大分(勝点55、得失9)と5位のFC東京(勝点55、得失6)から守らなければならない。それでも、名古屋は大分でトリニータとの直接対決に向けて、得失点差に余裕があり、3点以上で負けなければ、来年のACLはセーフである。

 

岩政の得点は残留争いにも大きな影響を与え、この相変わらず続く大混戦は今なら、上の争いよりも興味深い。このゴールは15位のジュビロ(勝点37、得失-7)にとって、10月のガンバ大阪戦も思い起こさせる、アンラッキーなタイミングだった。私はその日、横浜Fマリノス対東京ヴェルディの「クラシコ」を生観戦したが、16位のヴェルディ(勝点37、得失-10)も前半を元気に戦ったものの、残留争いならよくあることに、先制されるとペースが崩れ、結局2対0で負けてしまった。この両試合より1時間早くキックオフしたジェフユナイテッド千葉(勝点35、得失-19)も敗戦していたので、ジュビロとヴェルディが勝点1だけ上積みすれば自動降格を回避するチャンスだったが、17位の千葉は少なくとも、最終節のFC東京戦まで執行猶予{しっこう ゆうよ}を与えられた。

 

皮肉にも、ヴェルディは旧川崎ダービーでフロンターレを迎えるので、東京の両クラブは互いに助け合うことも考えられる。ジュビロとのアウェイ戦に臨む13位の大宮アルディージャ(勝点40、得失-10)と、ガンバを迎える14位のアルビレックス新潟(勝点39、得失-15)には自動降格の恐れはもうないが、入替戦圏内の16位に落ちる可能性は依然として残っており、安心はまだできない。

 

因みに、私はクリスマスショッピングの関係で初ビッグスワンがまた延長になってしまうが、今週末の生観戦として久々、長居スタジアムに行く予定である。J2で現在3位のベガルタ仙台は30日、サガン鳥栖に敗れたため、4位のセレッソ大阪との勝点差はわずか1に縮まり、後者の入替戦によるJ1復帰がまだ可能である。ガンバのファンとして複雑な気持ちではあり、絶対にホーム側には座らないが、やはり大阪ダービーが戻ればかなり楽しみになる。

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