26日、ジュビロ磐田対ガンバ大阪の天皇杯5回戦に向けて、それぞれの監督の目的に天と地の差があったことは明らかである。現在、リーグ15位のジュビロにとって、J1残留が優先であり、オフト監督は23日の柏レイソル戦のスタメンから茶野隆行だけを残し、ベテランや若い選手を中心に2軍のチームを選んだ。それに対して、ガンバはリーグで優勝どころか、3位以内の可能性も消滅しているため、カップ戦が焦点となり、ACL出場権のためにも天皇杯のタイトルを必死に目指している。ジュビロは前半1分の先制点で相手にショックを与えながらも、ガンバはその後、完全に主導権を握り、結局3対1のスコアでベスト8に進んだ。
外国人の目から見ると、天皇杯のフォーマットに少し残念な面がある。試合はリーグシーズンが終わった後、12月を中心に行われる日程は確かに良いことであるが、ACLやクラブワールドカップの影響もあり、今年から4回戦に加えて5回戦も11月に繰り上げ、リーグの優勝・残留・昇格の各争いによって影が薄くなってしまった。ジュビロ対レイソルのリーグ戦は1万4766人のファンの前で行ったが、その3日後のガンバ戦では、同じヤマハスタジアムの入場人数は僅か2648人だった。
ガンバの4回戦でも、ACL優勝の直後だったにもかかわらず、万博に3694人のサポーターしか集まらなかった。しかし、会場を相手のヴァンフォーレ甲府のホームスタジアムに変えれば集客力もきっと上がったということを考えると、天皇杯のシード制も不思議に思われる。圧縮日程の理由で会場をあらかじめ決定する必要はあるかもしれないが、もしJ2のクラブがJ1の相手とホームで対戦することがあれば、進出する可能性も経済的なベネフィットも高まるだろう。イングランドのFAカップの抽選は完全に無作為なものであるが、クープ・ドゥ・フランスは天皇杯と反対に、2部以下のチームが1部のチームと対戦する場合は会場が必ず前者のホームになる。実際には、下位のチームが優勝することはどうせあまりないが、日本では昨年のホンダFCがベスト8まで進んだことがかなり例外的であり、いわゆる「カップのロマンス」が少し欠けている。
とはいえ、幾つかの優勝候補が既に敗退しており、チャンピオンの予想がつかないという意味で、リーグ終盤との重なりから良いことも生まれる。実力で、ガンバ大阪対名古屋グランパスの勝者は恐らく本命になるが、ガンバがクラブワールドカップに出場するため、この準々決勝は決勝戦の僅か7日前に行われ、日程がかなりきつい。この中、J2代表の2チーム、サガン鳥栖とサンフレッチェ広島も穴馬的な優勝候補かもしれない。地方開催の制度で、鳥栖はJ1の相手(横浜Fマリノス)とベストアメニティスタジアムで戦うという、非常に珍しいチャンスがある。また、早くも9月にJ1復帰とJ2優勝を決めたサンフレッチェは天皇杯にも全力を尽くしており、岡山で柏レイソルに勝ってもおかしくないだろう。
ACLの注目度が日本でますます高まりつつある中、天皇杯は1ヶ月余りで5試合だけ勝てば優勝できるので、その優勝チームにACLへの出場権を与えるべきではない、という声もある。しかし、この出場権という目標もあれば、クラブは天皇杯も大事にするはずであり、実力に加えて幸運も必要なカップ戦として、ACL枠がイングランドのようにいつも同じチームに独占されないという効果もある。天皇杯には1921年まで遡る豊かな歴史があるが、その将来にとって、フォーマットや日程が競争の幅と激しさにつながることは何よりも大切だろう。
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