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2008年11月

天皇杯の明暗

2008/11/27(木)

26日、ジュビロ磐田対ガンバ大阪の天皇杯5回戦に向けて、それぞれの監督の目的に天と地の差があったことは明らかである。現在、リーグ15位のジュビロにとって、J1残留が優先であり、オフト監督は23日の柏レイソル戦のスタメンから茶野隆行だけを残し、ベテランや若い選手を中心に2軍のチームを選んだ。それに対して、ガンバはリーグで優勝どころか、3位以内の可能性も消滅しているため、カップ戦が焦点となり、ACL出場権のためにも天皇杯のタイトルを必死に目指している。ジュビロは前半1分の先制点で相手にショックを与えながらも、ガンバはその、完全に主導権を握り、結局3対1のスコアでベスト8に進んだ。

 

外国人の目から見ると、天皇杯のフォーマットに少し残念な面がある。試合はリーグシーズンが終わった後、12月を中心に行われる日程は確かに良いことであるが、ACLやクラブワールドカップの影響もあり、今年から4回戦に加えて5回戦も11月に繰り上げ、リーグの優勝・残留・昇格の各争いによって影が薄くなってしまった。ジュビロ対レイソルのリーグ戦は14766人のファンの前で行ったが、その3日後のガンバ戦では、同じヤマハスタジアムの入場人数は僅か2648人だった。

 

ガンバの4回戦でも、ACL優勝の直後だったにもかかわらず、万博に3694人のサポーターしか集まらなかった。しかし、会場を相手のヴァンフォーレ甲府のホームスタジアムに変えれば集客力もきっと上がったということを考えると、天皇杯のシード制も不思議に思われる。圧縮日程の理由で会場をあらかじめ決定する必要はあるかもしれないが、もしJ2のクラブがJ1の相手とホームで対戦することがあれば、進出する可能性も経済的なベネフィットも高まるだろう。イングランドのFAカップの抽選は完全に無作為なものであるが、クープ・ドゥ・フランスは天皇杯と反対に、2部以下のチームが1部のチームと対戦する場合は会場が必ず前者のホームになる。実際には、下位のチームが優勝することはどうせあまりないが、日本では昨年のホンダFCがベスト8まで進んだことがかなり例外的であり、いわゆる「カップのロマンス」が少し欠けている。

 

とはいえ、幾つかの優勝候補が既に敗退しており、チャンピオンの予想がつかないという意味で、リーグ終盤との重なりから良いことも生まれる。実力で、ガンバ大阪対名古屋グランパスの勝者は恐らく本命になるが、ガンバがクラブワールドカップに出場するため、この準々決勝は決勝戦の僅か7日前に行われ、日程がかなりきつい。この中、J2代表の2チーム、サガン鳥栖とサンフレッチェ広島も穴馬的{あなうま てき}な優勝候補かもしれない。地方開催の制度で、鳥栖はJ1の相手(横浜Fマリノス)とベストアメニティスタジアムで戦うという、非常に珍しいチャンスがある。また、早くも9月にJ1復帰とJ2優勝を決めたサンフレッチェは天皇杯にも全力を尽くしており、岡山で柏レイソルに勝ってもおかしくないだろう。

 

ACLの注目度が日本でますます高まりつつある中、天皇杯は1ヶ月余りで5試合だけ勝てば優勝できるので、その優勝チームにACLへの出場権を与えるべきではない、という声もある。しかし、この出場権という目標もあれば、クラブは天皇杯も大事にするはずであり、実力に加えて幸運も必要なカップ戦として、ACL枠がイングランドのようにいつも同じチームに独占されないという効果もある。天皇杯には1921年まで遡る豊かな歴史があるが、その将来にとって、フォーマットや日程が競争の幅と激しさにつながることは何よりも大切だろう。

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優勝争いの6面サイコロ

2008/11/21(金)

イングランドやスペインなど、ヨーロッパの大リーグでは、シーズン終了まで後3試合という時点で優勝が既に決まっている例もあり、候補がまだ3つ以上残っていることが滅多にない。しかし、2008年のJ1は第32節に向けて、6チームも依然として現実的な見込みがあり、数学的可能性は9位の清水エスパルスにまで及ぶ。Jリーグが1シーズン制に変わった2004年から、こういった大混戦はなくなるとも思われたが、競争が毎年むしろ、ますます激化している。

 

今週末の注目点は間違いなく、大分トリニータ対鹿島アントラーズの1戦である。現在4位の大分は第26節までリーグ戦13戦無敗を記録し、一旦首位に立ったが、それ以来はナビスコカップで初タイトルを獲得しながらも、リーグ戦5試合で勝点4しか取れていなく、天皇杯でもJ2のサガン鳥栖に惨敗した。しかし、首位との勝点差はまだ僅か2点しかなく、トリニータが優勝しなくても、鹿島と(最終節の)名古屋グランパスとの2つのホーム戦は順位表を大きく左右するだろう。天皇杯を除けば、大分は4月2日、第4節のガンバ大阪戦から九州石油ドームで1試合も負けていない。

 

現在首位の鹿島はまだ本命であり、大分戦を無傷で切り抜けると、16位のジュビロ磐田とのホーム戦と最終節のコンサドーレ札幌戦は特に問題となることはないだろう。しかし、この数週間はFC東京に敗れアルビレックス新潟と0対0で引き分けて、15日の天皇杯5回戦の119分に決勝点を決められ、清水に4対3で惜敗したことも痛かったに違いない。23日にも不運に遭えば、選手の心に疑問が浮かんでくるかもしれない。

 

首位を長く守っていた名古屋は最近、勝ち方を忘れてしまった。天皇杯ではベスト8まで勝ち進んだものの、9月23日以降のリーグ戦では4分け2敗という不本意な成績を残している。今週、今季終了後に退団すると明言したフォワード、フローデ・ヨンセンも同様に、リーグ戦9試合で1ゴールしか決めていないが、天皇杯5回戦の大宮アルディージャ戦では2点を挙げた。第33節の札幌戦はとにかく当然に勝つはずであるが、カップ戦をきっかけに得点力を取り戻さなければ、京都サンガと大分とのアウェイ戦も苦戦するだろう。

 

ACLに続き、横浜FマリノスにPK戦で負け天皇杯も敗退した浦和レッズは現在、絶好調とはいえないが、専らリーグ戦のみに集中することができ、ホームでの清水戦と(リベンジの)横浜戦はまず勝利しか考えていないだろう。しかし、優勝のチャンスはガンバ大阪とのアウェイ戦で危うくなるかもしれない。優勝が厳しくなっているガンバは天皇杯とクラブワールドカップに焦点を絞っているが、最後のホーム戦で、大敵を無冠にさせるモチベーションも高いだろう。

 

川崎フロンターレは現在5位に落ちているが、残り3試合で全勝が最も有り得るチームとして、逆転優勝の可能性がまだまだある。23日のガンバとのホーム戦と、残留争いに巻き込まれている東京ヴェルディと戦う最終節より、現在5連勝中のヴィッセル神戸との試合は最大の難所となるだろう。FC東京も川崎と勝点51で並んでいるが、今週末は神戸とアウェイであるため、第3334節のアルビレックス新潟戦・ジェフユナイテッド千葉戦の影響は恐らく、残留争いに限られる。

 

このような混戦ではきっとすぐに否定されてしまうだろうが、下記は私の予想である。

 

鹿島アントラーズ(現:首位、勝点54、得失23

32節:(A)大分 △0-0

33節:(H)岩田 ○1-0

34節:(A)札幌 ○3-0

 

浦和レッズ(現:2位、勝点53、得失15

32節:(H)清水 ○1-0

33節:(A)G大阪 ●0-1

34節:(H)横浜FM ○1-0

 

名古屋グランパス(現:3位、勝点52、得失10

32節:(A)京都 △1-1

33節:(H)札幌 ○3-0

34節:(A)大分 ●0-1

 

大分トリニータ(現:4位、勝点52、得失8

32節:(H)鹿島 △0-0

33節:(A)柏 △1-1

34節:(H)名古屋 ○1-0

 

川崎フロンターレ(現:5位、勝点51、得失13

32節:(H)G大阪 ○2-1

33節:(H)神戸 △1-1

34節:(A)東京V ○2-0

 

FC東京(現:6位、勝点51、得失5

32節:(A)神戸 ●1-2

33節:(H)新潟 ○1-0

34節:(A)千葉 △1-1

 

最終順位表

① 鹿島   勝点61、得失27

② 浦和   勝点59、得失16

③ 川崎   勝点58、得失16

④ 大分   勝点57、得失9

⑤ 名古屋  勝点56、得失12

⑥ FC東京 勝点55、得失5

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アジア制覇から世界挑戦へ

2008/11/17(月)

決勝戦というのは、一般的に緊張感たっぷりのことだろうが、ガンバ大阪にとって、ACL決勝第2戦のテンションは全て15分までに解消された。万博でオーストラリアのアデレード・ユナイテッドを3対0で破った第1戦に続き、1週間後のアウェイ戦でも相手を圧倒し、ルーカスの2点目で合計スコアが5対0になると、どんなに悲観的なサポーターでもシャンパンを抜くことができた。現地のハインドマーシュ・スタジアムから万博のパブリックビューイングや大阪のスポーツバーまで、ガンバのファンは半分大喜び、半分信じられない気持ちに駆られた。国内ではいろいろと苦戦しながらも、アジアの頂点に登り詰めた。

 

西野監督も、昨年の浦和レッズの優勝を見て欲望が燃えていただろうが、試合後は「今年のACLを挑むにあたり、予選突破を目標に、正直ファイナルまでは考えていませんでした」と認めた。しかし、ガンバはACLで終始、タイトルに値するプレーを見せた。メルボルン・ビクトリーと全南ドラゴンズと同じグループでは、ロスタイムの同点ゴールでタイのチョンブリーと何とか引き分けしたというのは理想的な初戦ではなかったが、その後は4連勝で12得点も挙げ、1試合を残して決勝トーナメント進出を決めた。秋に入るとさらに一層レベルアップし、ベスト8とベスト4でそれぞれ、2006年の準優勝者のアル・カラマとディフェンディングチャンピオンの浦和に意気揚々と勝利を収めた。この姿勢は決勝戦にも繋がり、浦和のより守備的な勝ち方を「自分の目指すものとは、まったく逆」というように考えていた西野は、「ガンバのスタイルを貫き通した中でタイトルを獲れたということを非常に嬉しく思います」と述べた。

 

僅か3694人の入場のもと、J2のヴァンフォーレ甲府を延長戦で破った天皇杯4回戦は凱旋試合として少し控え目なものだったが、リーグで3位以内は厳しい中、現在のところでは天皇杯で優勝しなくては来年のACL出場現は手に入らない。しかし、2009年以降のフォーマットは1125日、第9回AFCプロリーグ特別委員会で最終決定される予定であり、前回優勝チームの出場枠が戻される可能性がある。皮肉にも、アデレード・ユナイテッドは決勝戦の前にこの復活をAFCに訴えたし、ガンバが今年出場できたのはそもそも浦和の優勝のおかげだったが、アジアの王者として、ガンバがタイトルを防衛する機会を与えられなければ、非常に残念である。2005年のヨーロッパ王者、リバプールはリーグ順位で翌年のチャンピオンズリーグ出場権を獲得していなかったが、UEFAは当時の規則を変更し、特別な出場権を与えた。ガンバのアジアでの注目度が高くなりつつ、来年のACL決勝戦は東京の国立競技場での一発勝負というのもあり、川淵三郎委員長たちも欧州の前例に従いたくなるかもしれない。

 

もちろん、ガンバの選手やスタッフはこういうことにとらわれず、西野監督も認めるように、「今、何となく(クラブワールドカップで)マンチェスターユナイテッドと試合をすることにターゲットが行っているように感じます」。この夢のような準決勝が現実になる前に、まずは準々決勝を突破する必要があり、これは恐らくアデレードとの再戦になることが少し不思議に思われる。しかし、ガンバには再び勝ち進む自信があり、クラブワールドカップで1勝をすることも「大きな目標設定」にしている。ガンバのような前向きなチームがアジアを代表し、世界の舞台で戦うことは、日本のサッカーにとっても意義深いことである。

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あと半歩

2008/11/11(火)

予想もできなかった、完全な楽勝だった。5日のACL決勝第1戦では、相手に貴重なアウェイゴールを与えず、3点も挙げたガンバ大阪は悲願のアジア制覇へ大きな一歩を踏み出したが、この結果は試合の流れを反映していないという悔しさもあったとしても、これはアデレード・ユナイテッドではなく、むしろガンバが感じたことだろう。1、2点目とも確かに相手のパスミスから生まれたとはいえ、シュート数でも17対3と大差があり、スコアが少なくとも5対0になってもおかしくない試合だった。後半のロスタイムに入り、追加点が2点が欲しいと冗談で言ったが、これも一瞬叶いそうだった。まずは遠藤保仁のフリーキックが入り(ロニーのオフサイドでノーゴールと判定されたことには、ゴール裏の大興奮で気づかなかった)、またその直後、山崎雅人も決定的なチャンスを逃した。

 

オーストラリアのFox Sportsの解説者によると、ガンバの運営予算は約4700万アメリカ・ドル(約46億円)に上るのに対して、アデレードはその10分の1、約700万オーストラリア・ドル(約4.6億円)に過ぎない。オーストラリアのサッカーはこの資金力の格差を乗り越え、アジアの舞台ですでに成果を上げているということは、将来性の証しであり、Jリーグがアジアのトップという地位を強固にしても、オーストラリアは間違いなく、最も有望な挑戦者だろう。しかし、この試合はアデレードにとって反省すべき、内容に欠け過ぎたパフォーマンスだった。長い旅の影響もきっとあり、こういう面では欧州と違い、第1戦をホームでプレーしたほうが有利かもしれないが、アウレリオ・ヴィドマー監督さえチームの失敗について説明{とんじ}に窮していた。「大事な試合ということで緊張もあったかもしれないが、とにかくアデレードらしくない内容だった」と述べた。

 

一方、様々な困難の中、ガンバをアジア制覇の寸前まで導いてきた、西野監督の成功は認めるべきである。8日、FC東京に負けたリーグ戦はACLの影響で許されるが、シーズン前から怪我や病気、退団による問題に苦しんできて、今年は悔しい結果が多い。2005年には比較的に低い、勝点60で優勝したが、2006年と2007年には強い相手に上回られ3位に転落したにも関わらず、実際の成績は徐々に向上し、勝点はそれぞれ、6667へと上がった。これに対して、今年はやはりリズムを掴むのに時間がかかり、現在は7位であるが、残りの3試合をすべて勝っても、例年を大きく下回る勝ち点56で終了する。2008年のガンバは決して、ビンテージものではない。

 

しかし、ACLの挑戦に備えて全力を尽くし、特に決勝トーナメントに入ってから試合毎に調子をますます上げてきた。バレーの離脱から生まれた得点力不足がリーグ戦では最も著しい問題とされたが、ACLではルーカスと山崎のパフォーマンスで十分カバーでき、山崎は特にアジアの舞台に適しているようである。今年のリーグ戦では29試合で4得点、横浜Fマリノスと大分トリニータ時代も含め通算105試合で僅か7得点しか挙げていないが、ACLの得点ランキングでは5ゴールで2位である。西野監督はマンチェスター・ユナイテッドのファーガソン監督のように、自分の判断力に強い信念があり、選手と仲たがいすることもあるが、こういった監督にとって、結果だけがものをいう。アジアの中では日本のクラブが豊かな資源に恵まれているというのもあるが、西野は地域の頂点に向けて選手を整え、浦和レッズや鹿島アントラーズさえ出せなかった結果を残している。

 

もちろん、優勝はまだ何も決まっていなく、12日の第2戦では、アデレードのプレーは先週とは似ても似つかないだろう。先月、準決勝のホーム戦ではブニョドコルを3対0で破り、得点力をはっきりと示したので、試合がアデレードのペースで展開すると危険もあるかもしれない。しかし、17歳のキーパー、マーク・ビリギッティ(レギュラーのユージン・ガレコヴィッチは第1戦のイエローで出場停止)からアウェイゴールを1点でも奪えればきっと終わりなので、第2戦にもガンバらしい姿勢で臨んでほしい。ACLタイトル、クラブワールドカップの出場権、また私の個人的なジレンマが近づいてきている。

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待ち遠しかった、ACL決勝戦

2008/11/05(水)

ナビスコカップ決勝戦で大分トリニータがめでたい初タイトルを取り、国士舘大学がJ1首位の鹿島アントラーズとの天皇杯4回戦で先制するも結局PK戦で惜敗するなど、話題の多い週末だった。が、連休が終わり、今から日本、またアジアの注目は大阪の郊外、吹田市に集まってくる。先月、ACL史上初の日本同士の対決で大敵の浦和レッズを破ったガンバ大阪は5日、決勝の第1戦で悲願のアジア頂点へ一歩近づこうとする。準決勝のアウェイでの逆転勝利と決勝進出そのものもガンバの歴史に残るが、これからは日本にとって2年連続のACL制覇を果たし、Jリーグがアジアのクラブサッカーを支配する時代を迎える好機である。

 

決勝の相手はオーストラリアのアデレード・ユナイテッドであり、英語圏を中心に世界のサッカー報道でも話題になっている。アデレード・シティというクラブが当時のナショナルサッカーリーグから撤退したことを受け、ユナイテッドはつい5年前に創設されたが、オーストラリアのサッカーとともに急速な成長を見せてきた。代表チームが32年振りのワールドカップ出場を決めた2005-06シーズンにはAリーグが発足し、ユナイテッドは創設メンバーとして初めての「プレミア」(レギュラーシーズンの優勝)という栄冠に輝いた。オーストラリアサッカー協会がAFC(アジアサッカー連盟)に加盟して以来、ユナイテッドは昨年に続き今年もACLの出場権を獲得し、鹿島やリバウドが所属しているブニョドコル(ウズベキスタン)を倒し決勝出場に達した。

 

両チームとも2度目のACL出場で決勝戦まで進むことができたが、優勝をしなくては来年の出場権がないということも共通だろう。ガンバは今年の目標をリーグとACLの2冠制覇というかなり高いところに置いたが、怪我や移籍などでメンバーの入れ替えが多く、チーム作りや得点力不足の問題に苦しんだ。しかし、リーグではそのため苦戦している一方、秋に入り、いざというときにガンバらしい攻撃のリズムを掴み、アジアの舞台では夢を持ち続けている。歴史が浅いとはまだまだ言えるかもしれないが、近年は2005年のJリーグと昨年のナビスコカップなど、優勝の味を次第に覚えてきた。これに加え、今年のアジア制覇も達成し、トヨタカップでマンチェスター・ユナイテッドと肩を並べることができれば、ガンバがとにかくピッチ上でのビッグクラブということは確実になる。

 

ガンバ大阪のACL決勝進出とこれからの可能性は日本だけではなく、特に関西のサッカーにとって大きな意味があるだろう。ガンバが2005年に獲得した初タイトルは、同年の阪神タイガーズのセ・リーグ優勝によって影が薄くなってしまい、非常に不運なタイミングだった。しかし、今年は阪神がリーグ、クライマックス・シリーズとも失敗したので、ガンバにとって関西スポーツ界のプライドを取り戻すチャンスがある。関東同士の球団が争う、日本シリーズがACL決勝の第1戦と重なることは残念であるが、少なくとも第2戦の12日までには野球が全て終了する。浦和のようにマスコミにも愛され、ファンが各地にもいるクラブとは言えないかもしれないが、ガンバと大阪が全国の脚光を浴びる日は待ち遠しかった。

 

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