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待ち遠しかった、ACL決勝戦

2008/11/05(水)

ナビスコカップ決勝戦で大分トリニータがめでたい初タイトルを取り、国士舘大学がJ1首位の鹿島アントラーズとの天皇杯4回戦で先制するも結局PK戦で惜敗するなど、話題の多い週末だった。が、連休が終わり、今から日本、またアジアの注目は大阪の郊外、吹田市に集まってくる。先月、ACL史上初の日本同士の対決で大敵の浦和レッズを破ったガンバ大阪は5日、決勝の第1戦で悲願のアジア頂点へ一歩近づこうとする。準決勝のアウェイでの逆転勝利と決勝進出そのものもガンバの歴史に残るが、これからは日本にとって2年連続のACL制覇を果たし、Jリーグがアジアのクラブサッカーを支配する時代を迎える好機である。

 

決勝の相手はオーストラリアのアデレード・ユナイテッドであり、英語圏を中心に世界のサッカー報道でも話題になっている。アデレード・シティというクラブが当時のナショナルサッカーリーグから撤退したことを受け、ユナイテッドはつい5年前に創設されたが、オーストラリアのサッカーとともに急速な成長を見せてきた。代表チームが32年振りのワールドカップ出場を決めた2005-06シーズンにはAリーグが発足し、ユナイテッドは創設メンバーとして初めての「プレミア」(レギュラーシーズンの優勝)という栄冠に輝いた。オーストラリアサッカー協会がAFC(アジアサッカー連盟)に加盟して以来、ユナイテッドは昨年に続き今年もACLの出場権を獲得し、鹿島やリバウドが所属しているブニョドコル(ウズベキスタン)を倒し決勝出場に達した。

 

両チームとも2度目のACL出場で決勝戦まで進むことができたが、優勝をしなくては来年の出場権がないということも共通だろう。ガンバは今年の目標をリーグとACLの2冠制覇というかなり高いところに置いたが、怪我や移籍などでメンバーの入れ替えが多く、チーム作りや得点力不足の問題に苦しんだ。しかし、リーグではそのため苦戦している一方、秋に入り、いざというときにガンバらしい攻撃のリズムを掴み、アジアの舞台では夢を持ち続けている。歴史が浅いとはまだまだ言えるかもしれないが、近年は2005年のJリーグと昨年のナビスコカップなど、優勝の味を次第に覚えてきた。これに加え、今年のアジア制覇も達成し、トヨタカップでマンチェスター・ユナイテッドと肩を並べることができれば、ガンバがとにかくピッチ上でのビッグクラブということは確実になる。

 

ガンバ大阪のACL決勝進出とこれからの可能性は日本だけではなく、特に関西のサッカーにとって大きな意味があるだろう。ガンバが2005年に獲得した初タイトルは、同年の阪神タイガーズのセ・リーグ優勝によって影が薄くなってしまい、非常に不運なタイミングだった。しかし、今年は阪神がリーグ、クライマックス・シリーズとも失敗したので、ガンバにとって関西スポーツ界のプライドを取り戻すチャンスがある。関東同士の球団が争う、日本シリーズがACL決勝の第1戦と重なることは残念であるが、少なくとも第2戦の12日までには野球が全て終了する。浦和のようにマスコミにも愛され、ファンが各地にもいるクラブとは言えないかもしれないが、ガンバと大阪が全国の脚光を浴びる日は待ち遠しかった。

 

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