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エンタテインメントのオッズ

2008/07/17(木)

先日、休憩をしながらイギリスのオンラインスポーツ記事を読んでいたら、ある賭け屋の広告に目が奪われた。来シーズンのプレミアリーグからリーグ2(実質1部~4部)のチャンピオンを1つずつ選ぶと、繰越投票のオッズが自動的に計算される、というものだった。私の予想を記入してみたら、10ポンド(約2200円)だけで1806ポンド(約226万円)も当たるよ、という魅力的な情報が表示されたが、誘惑に耐えてお金を賭けなかった。数字に興味があるので、ほかの組み合わせも試してみたりしたが、優勝候補以外のチームを見ると、驚くべきことに気付いた。2部のチャンピオンシップからプレミアリーグへ昇格したハル・シティとストーク・シティの優勝オッズは、繰越ではなく単一の投票の場合でも、7500:1にもなっている。

 

20チームのリーグでは、そんなに無理なのか?!ウィガン・アスレティックのゴールキーパー、クリス・カークランドが11歳のとき、その父親は息子が30歳になるまでにフル代表チームに出場することにお金を賭けたらしいが、そのときのオッズは100:1に過ぎなかった。サッカーと関係のないコンテクストを見ても、例えばエルヴィス・プレスリーがまだ生きているというようなことでも、賭け屋のオッズはだいたい1000:1という。こういった有り得ないとされたことよりも、ハルとストークの優勝する確率が7.5倍も低いと考えられているわけである。賭け屋によると5番手のトッテナム・ホットスパーさえ、優勝が66:1で、2・3・4部のそれぞれの最低チームよりも低いオッズである。

 

しかし、現実を見ると、確かにオッズ通りであろう。シーズンが始まる前にも、チャンピオンズ・リーグの出場権を得るのは去年と同じ上位の4チームになることがほぼ確実だろう。ちょうど30年前、偉大な監督、ブライアン・クラフが指導したノッティンガム・フォレストは昇格した翌年に1部優勝も達成して、1989-90年に昇格したリーズ・ユナイテッドもその2年後に1部で優勝した。それから、1994-95年の当時としてはお金持ちのブラックバーン・ローヴァーズの優勝でも昇格の3年後だったが、そんなことが可能な時代はもう去ってしまった。お金がその最大な原因となったことは言うまでもないが、4強のサポーターも含んで、イングランド人のサッカーファンにとって少し情けない現状である。

 

これに対して、日本のJリーグを見ると、今年の競争の厳しさが信じられない程度になっている。シーズンの前半戦は今夜(木曜日)を以て既に終わるところであるのに、上位集団がまだ形成されておらず、首位の鹿島アントラーズと(入替戦対象の)16位の横浜Fマリノスとの勝点差が僅か13点しかない。第17節の試合が木曜日となった川崎フロンターレは水曜日の結果で現在11位に下がっているが、等々力で清水エスパルスを破れば5位まで上がり、逆に負けるとさらに14位まで下がってしまう可能性もある。1日でそれだけの左右が起こるとクラブにとってプレッシャーが重くのしかかり、サポーターも緊張してしまうが、非常に面白いということは否定できない。

 

先月の見事なユーロ大会では世界最高レベルのサッカーを見てから再開したJリーグのスタジアムに戻ったサポーターの中、「日本のサッカーはまだまだだなぁ」という悔しそうな声もあった。怪我人やメンバー入れ替えに悩み(レッズの場合は監督交代にも)、今までは鹿島・浦和・G大阪ともそれぞれどうしても勝てなかったときがあって、今年は一貫して素晴らしいチームが確かにまだ1つも目立っていないと言える。しかし、ACLのベスト8にJリーグ代表が3チームとも出ることが決まっており、国内では多くのチームがこういったアジアトップチームと並ぶレベルで戦えるようになったことは、日本のサッカーの全体的な進歩の証だろう。

 

イングランドのプレミアリーグは何と言っても、レベルも高く攻撃的なプレーも面白いので、人気が下がる心配がないが、お金にまだそれほど乱されていないJリーグのレベルも上がりつつ、競争もどんどん厳しくなっているので、こういう意味で日本のサポーターは恵まれていると思う。予測ができないことこそがこのリーグのアピールで、後半戦に入ってからも、ハイテンションの優勝争いと残留争いを見るのを楽しみにしている。

 

(因みに、ハル・シティと2・3・4部のそれぞれの最低チームに繰越投票で10ポンドを賭けると、当たれば64憶ポンド(約1.34兆円)以上になるようである。誘惑はするが、全額をちゃんと払ってくれる可能性がさらに低いだろう…)

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