インタビュー: 遠藤保仁選手

2011/10/12(水)

3戦連続で得点に苦しんできた日本代表は昨日、W杯予選でタジキスタンに8対0と圧勝した。試合後、上機嫌の遠藤保仁選手とお話した。

 

 

(8対0の大勝について)ビックリしましたか?

 

ううん。ビックリはしていないよ!

 

これこそ、日本のサッカーですか。得るものは何でしょうか。

 

たくさん点を取ったことです!まあ、良いイメージで終われたのは良かったかなと思いますけど。あれだけ自由にやれれば、それだけ点を取れると思います。

 

先月のW杯予選、特にホームの北朝鮮戦との違いは何でしたか。

 

前半で点を取れたから、楽に自分たちのペースでやれたかなと思います。前半0-0で終われば、また少し違った展開になっちゃうかもしれないので、前半で点を取れたのは良かったと思います。

 

次は同じタジキスタンとアウェイで対戦しますが、そのアウェイ戦でも早い時間帯で点を決めることが鍵を握るでしょうか。

 

そうですね。先に点を取って、自分たちのペースで楽に出来るようにしたいなと思います。次は初めて行く国なので、次の次もそうです。みんな多分行ったことがないと思うので、グランドやピッチもあまり良くないと思います。しっかり集中して戦えば、他には問題ないかなと思います。

 

駒野友一のクロスからハフナー・マイクの2点が生まれました。それは、理想通りのパターンでしたか。

 

あれだけでかかったら、ターゲットになると思います。相手もそんなに大きくなかったんで、大きくない相手には凄いターゲットになるから、それをしっかりと使えれば良いかなと思います。(李忠成との交代後は)クロスだけでなくて、中から1-2とか、そういう形がもっと増えれば良かったかなと思いますけど、あまりにも攻め過ぎていたので、逆に難しかったということもあります。

 

8点目は74分に入りました。2桁取りたいという気持ちはありましたか?

 

無い!無かったです。まあ、入ったら入っても良いけど、別に入らなくても良いです。

 

それでも圧倒的な点差をつけてからも、日本は最後までやり続けましたね。

 

日本人の性格じゃないですか。もっともっと行こうという性格。もっと点を取りたいとか、もっと良いイメージを見せておきたいというのは、日本人の真面目なところから出てくると思うのです。その性格がチームのスタイルに繋がると思います。

 

中村憲剛のインパクトは如何でしたか。

 

良くボールに絡んでいましたし、シュートも積極的にやっていましたし、良いアクセントになっていたと思う。良いプレーしていたんじゃないかなと思います。

 

最後に、香川の2点目は本当に狙いました?

 

ああ、センターリングでしょ?!クロス!イエス、クロスです。100%クロス!

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インタビュー: 細貝萌選手

2011/10/11(火)

ザッケローニ監督の就任直後から、3-4-3布陣について大騒ぎが続いてきた。しかし、監督本人は「あくまでもオプションだ」と述べ、去る7日の親善試合ベトナムでは同システムを再びトライしたものの、日本のパフォーマンスがいまいちで苦戦したため、本日のW杯予選タジキスタン戦ではメインシステムの4-2-3-1に戻るだろう。

 

日本の戦術やフォーメーションについて、MF細貝萌選手とお話した。

 

 

ベトナム戦は辛うじて1対0で勝ちましたが、もう一度3-4-3を試してみることが出来ました。結果以上に、大きな意味があったのでしょうか。

 

3-4-3でスタートしようとミーティングでも言っていたので、新しいシステムで修正をしながらプレーしようということでした。もちろん、もっとチームとして出来ることもあると思いますし、個人的には代表でスタメンで出るのが久しぶりだったので、いつも通りプレーしようと思っていました。ボランチで出たので、もう少し長谷部さんとのバランスだったり、デフェンスラインとの距離感だったり、というのをもっと意識しないといけないと思いました。

 

これまで、遠藤・長谷部のダブルボランチがメインでしたが、2人ともどちらかと言えばクリエイティブな選手と言えるでしょう。細貝選手が入りますと、中盤にもう少しバランスを与えられますか。

 

僕に関しては、やっぱり2人みたいなプレーは出来ないんですし、2人からもちろん得るものもすごくたくさんあります。その中で、出来ないことは出来ないので、出来ることを精一杯やろうという気持ちで臨みました。チームは、結果1対0で勝ちましたけど、やっぱりもっと点を取らないといけないですし、ピンチのシーンも何度かあったので、こういうのでいけないなと思いました。

 

監督は、3-4-3はオプションとして考えられるというふうに述べています。現時点では、W杯予選などでオプションとしても使える状態にありますか。

 

3-4-3に関しては、僕は試合にいたのは今回、スタメンで出たのがもちろん初めてでしたから、また試合をこなしていけば、チームがみんなフィットするのかなと思います。監督もオプションとして3-4-3を持っておきたいという話をしていたので、やっぱりその3-4-3になったら、しっかりとチームがそれを理解して戦うことが大事なのかなと思います。

 

報道陣はシステムに関して少し大騒ぎになりがちかもしれませんが、選手としては気になることですか。

 

システムですか?いややっぱりミーティングだとか、事前に監督から話がありますし、選手の中でこんな話をしていることは全くないかなと思いますね。

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やっぱりキング・カズ

2011/03/30(水)

昨夜、サッカー関係者が東北の地震と津波に対するチャリティマッチを開催し、90分間の間、日本国民は笑顔を取り戻すことができた。

 

ニュージーランドとの親善試合の代わりに日本代表はJリーグ選抜「Team as One」と対戦した。選抜チームのウェアはFIFAのフェアプレイロゴの黄と青だったが、それは震災で被害を受けたベガルタ仙台のチームカラーでもあった。

 

代表は2対1で勝利したが、いくつものクラブのサポーターが国民として団結し、ともに声をあげるという感動的な状況においては結果は大きな問題ではない。

 

実際、スーパースターである三浦カズがTeam as Oneにもたらした絶妙なゴールがゲームのハイライトであったことは疑いようがない。

 

後半残り10分にすべての観衆が待ち焦がれた瞬間が訪れた。“キング・カズJリーグの最年長プレイヤーが東口順昭からゴールを奪い、“カズダンスを披露したのである。

 

カズは、被災者に対してこのようなコメントを贈った。

 

「どこに行っても『44歳だ』って言われますし、そんな中で今本当に苦しんでいる人たちには諦めてほしくない。僕はサッカーで諦めたことはないし、(これからも現役を)続けたいなと思っていますから、そういう形で(メッセージを)届けられたらと思います。」

 

ザッケローニもカズを讃えた。「私はゴールを決められるのは嫌いだが、私のキャリアの中で相手に決められて嬉しかったのは今日が初めてだ。」

 

Team as One監督のスコイコビッチは、「この試合は重要な試合だった。被災された方々、お亡くなりになった方々、そして世界の人々に対して『われわれは1人ではない。団結しているんだ』ということは伝えられたと思う。『いつも一緒だ』ということが、メッセージとして世界に伝わったんじゃないか。」

 

 

募金リンク集

日本赤十字: http://www.jrc.or.jp/

英国赤十字: http://www.redcross.org.uk/JapanTsunami

米国赤十字:

http://american.redcross.org/site/PageServer?pagename=ntld_main&s_src=RSG000000000&s_subsrc=RCO_NewsArticle

Global Giving: http://www.globalgiving.org/projects/japan-earthquake-tsunami-relief/

日本ユニセフ協会: http://www.unicef.or.jp/

 

 

※上記はベン・メイブリーのブログ記事「King Kazu sparkles as Japan remembers victims of Tohoku earthquake」からの抜粋です。全文は英語版へアクセス下さいポッドキャストもあ

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3・11

2011/03/16(水)

このような時に、サッカーについて議論するのはもちろん価値の低いことではある。大阪に住んでいる我々はラッキーだ。13階の私の部屋は少し揺れただけだったけども、そこには確かに危険が存在した。何より気になったのは、揺れが止まらないことだった。

 

仙台東部の震源地からは600kmも離れた私のマンションは、15分後になっても、まるで静かな海に浮かぶ小舟のように揺れていた。その頃には、ことの重大さはテレビやフェイスブック、ツイッターといったソーシャルネットワークサービスによって次第に明らかになっていた。

 

やがて揺れが収まり、なすすべもなく静かに座りこんだ私たちは、本当の恐怖を知ることになる。

 

壊滅的な津波の映像は、世界中にリアルタイムで中継された。しかし、十分な情報(特に公式な情報)を得ることは出来なかった。通信は断絶していたが、携帯でのデータサービスは使用可能だった。そのため、ツイッターは被災地にいる人々にとっては、非常に有益な情報源となった。

 

横浜在住のアイルランド人ライターコルム・スミス氏をはじめ、様々なツイッターユーザーは現地レポーターとなり、特に英語での情報が極めて限られた中で、その直後の状況を的確にレポートした。恐らく数百万の人々が東京都心から数時間かけての徒歩での帰宅を余儀なくされた。ソーシャルメディアは解説者であり、ガイドでもあった。

 

現在でも、被害の全体は推測の域を出ない。しかし、少なくとも日本人が本来持っている、危機を迎えた時に協力する力は示されている。1995年の神戸での震災の記憶が新しい関西では、何か些細なことでも出来ないかという思いが至るところに見られて、心が温められる。

 

サッカーや他のスポーツは、もちろん当面は後回しだ。モンテネグロとニュージーランドとの国際親善試合の開催も未定だが、ここにセルジオ越後さんの言葉を掲載したいと思う。

 

津波や原発の映像を見てるだけでは、復興に向けたパワーは生まれない。日本代表がどれだけ人の心を動かすことができるかは、昨年のW杯や今年のアジア杯で皆が体験済みじゃないか。日本中が復興に向けて一つになるために、サッカーがどれだけ貢献できるか

 

電力の問題があるならば、試合時間を昼に変更すればいい。余震で危険だと言うならば、開催地を関西に変更すればいい。テレビを通じて、何十万、何百万という人々に、パワーを与えられるチャンスを逃すべきじゃない。今こそ、サッカー協会の行動力が求められている。

 

多くのセレッソ大阪のサポーターがソーシャルメディアを通して、昨夜のACLでのガンバを応援してくれた。街の青サイドとしても、セレッソが今夜の山東魯能と戦う時には、この寛容な心づかいにお返しをするだろう。

 

 

上記はベン・メイブリーのブログ記事「3/11」からの抜粋です。全文は英語版へアクセス下さい。

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いよいよJ開幕: ①ACL勢の4クラブ

2011/03/04(金)

幾つかのクラブと数人の選手が「JリーグとACLのダブル」を狙っているように見える。(岡田武史氏がベスト4を目標にしたように)誰も負けたいとは思っていないだろうが、これは全く困難極まりないことだ。とりわけ、18J1クラブのうち半数が王座を狙える力を持っており、さらに過去の浦和レッズやガンバ大阪の例から分かるように、ACLでの成功がリーグでのパフォーマンスに影響を及ぼすのである。

 

昨シーズン、アジアとは関わりのなかった名古屋グランパスは、勝ち点10差でリーグを制した。彼らは十分な態勢を整え、恐らくは気楽に2011年のチャレンジに臨もうとしている。しかし、グランパスがどこを優先するかによって、幾つかのライバルのシーズンも大きく左右されるかもしれない。トヨタ自動車は「トヨタのクラブ」が何よりもACLを獲得してほしいと望んでいるのだろうか?

 

ガンバ大阪のファンでさえ、この関西のトップクラブが2位でシーズンを終えるとは確信できなかった。昨年は浮き沈みの激しい一年で、若返りという課題は放置された。だが、冬の移籍は効果的だったのか?欧州への移籍は間違いないだろうが、それまでは宇佐美貴史頼みだ。恐らくガンバはその経験をさらにACLに活かすべきだが、その狙いは過去2年間は裏目に出ている。

 

セレッソ大阪は通常の「2年目症候群」以上のリスクを抱えている。メンバーは昨年から厚みがなく、キープレーヤー(アドリアーノ、アマラウ、家長昭博)たちはチームを離れた。厚みのないメンバーにとってACLというさらなる要求は重荷であろう。ファンはキム・ボギョンとホドリゴ・ピンパォンがすぐに結果を出してくれることを祈るだろうが、それ以上にこの長居のクラブが怪我についての幸運を持ち続けてくれることを切実に祈ることになるだろう。

 

鹿島は昨年、彼らの基準としてはレベルの低いシーズンを送ったが、それでも天皇杯は勝ち取った。それもマルキーニョス(4年間で80ゴール)とジウトン抜きで。アントラーズは未だにいざとなれば勝利を紡ぎだすことができるのである。岩政大樹と伊野波雅彦がJ1最高の守備の要となっており、新加入のカルロン、アレックス、本田拓也にも期待は高まる。今年もまた早い段階でACLから敗退すれば、名古屋に次いで優勝する可能性が高いと言って良いだろう。

 

上記はベン・メイブリーのブログ記事「Ready to go – Part 1: The ACL quartet」からの抜粋です。全文とは英語版でお楽しみください。

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高校数学とサッカーⅡ: 守備と攻撃を再検討

2011/03/03(木)

2年前の記事を振り返ってみれば、相関係数を用いてこのような結論が導き出されている。「攻撃は守備以上に勝利に結びついているが、他を圧する最高レベルのリーグでは逆の傾向がみられる。」

 

2008年にはイングランドのプレミアリーグと日本のJリーグはそれぞれの大陸のなかで最高のリーグであったが、そこでは得点と勝ち点のポジティブな関係よりも、失点と勝ち点のネガティブな関係が強かった。

 

現在は、欧州にもアジアにも明らかに頭抜けたリーグが存在しない。2008年と比較して、現在はゴールをあげることは堅い守備よりも勝ち点により大きな影響力を持っている。これは、イングランド、イタリア、スペイン、ドイツ、日本、そして韓国にも当てはまる。しかし、これまで一つのリーグが支配的な存在であった場合には、常に守備は攻撃よりも重要であった。

 

ヨーロッパでは、支配のサイクルがある(プレミアリーグ、リーガ、そしてセリエが交代で最強となる)。一方、アジアでは日本と韓国が世界基準の力をつけており、欧州に選手を送りだしている。短期的にみればJリーグやKリーグは少しは弱体化するだろうが、長期的にさらに高いレベルにたどりつくためには望ましいことであろう。

 

上記はベン・メイブリーのブログ記事「Go figure II – defence vs. attack revisited」からの抜粋です。全文と具体的な数値は英語版でお楽しみください。

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本田 vs. 香川

2010/10/06(水)

アルゼンチン、韓国との2つの親善試合に先立ち、新たに勃発した本田圭佑香川真との興味深い主導権争いとともに、アルベルト・ザッケローニの日本代表監督としての治世の幕開けを楽しみにしている。

 

本田は南アフリカでの不慣れなワントップのポジションでスターの座に就く前に、VVVフェンロCSKAモスクワでのパフォーマンスによって、ワールドカップまでに中村俊輔に代わる日本代表の中心選手としてのイニシアチブをつかみ取っていた。しかし欧州でプレーする日本人プレイヤーの第一人者としての地位は、ワールドカップでの23人からは漏れたものの、現在はボルシア・ドルトムントでのトップ下で頭角を現した香川に奪われることとなった。

 

この争いは、代表チームにとっては望ましいことではある。とりわけ、ザッケローニ監督が現代的な4-2-3-1での攻撃の流動性を慎重に生み出し、両プレイヤーを同時に輝かせることができるのであれば。

 

 

※上記はベン・メイブリーのブログ記事「Honda vs. Kagawa」からの抜粋です。全文は英語でお楽しみください。

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9月を終えて、3つの小さな愚痴

2010/10/01(金)

なかなかリズムが取れなかった9月を終えて、3つの小さな愚痴。(更新が少し不定期になってしまい、申し訳ないが、2週連続3連休ではなく、木曜日に祝日なんて何だろう?先週の水曜日はすっかり金曜気分、そして金曜日は月曜気分になってしまった。因みに、これは3つの愚痴の1つではない。)

 

 

① GUATEMARA?どこ、それ?

 

先日の長居では、マリオ・ロドリゲスが新生サムライブルーの勢いを殺ぐゴールを決めた後、そのゴール裏のスコアボード表示に目を奪われたのだろうか。

 

JAPAN 2-1 GUATEMARA

 

反対側のカラー画面では「GUATEMALA」という正しい綴りが表示されていたにもかかわらず、この誤りはキックオフから約40分、ずっとそのままだった。ハーフタイム前にはようやく、秘かに修正された。(ここに写真があるが、少しぼやけている。私たちの席からせっかく分かりやすいクロースアップ写真を友達に撮ってもらったのに、そのiPhoneから姿を消しているようである。もし私にもiPhoneがあれば絶対有り得ない。まあ、忘れておこう。これもとにかく3つの1つではない。)

 

英語が難しいという日本人が多いのは当然なことであり、仕方がない。むしろ、世界各地の人が必ず英語を喋ってくれると思い込んでいる、多くのイギリス人やアメリカ人が外国に行っても挨拶すら勉強しないというほうがだいぶ恥ずかしいことである。それから、日本人が「L」と「R」を区別できないというステレオタイプも笑い物にしてはいけない。日本語にはこの英語の音素が存在しないわけであり、ローマ字が必要な場合に仕方なく「R」と表記するラ行は本当は歯茎側面はじき音と言い、英語などにはない。ところで、この独特な子音は国際音声記号では[ɺ]と書き、外国人にとって(ちゃんと日本語を勉強しても)発音しにくいという人も決して少なくない。

 

しかし、ここで何が大きな問題なのかと言えば、スコアボードの操作者が正しい綴りを確認しておかなかったこと、或いは確認しておこうとさえ思わなかったことである。手元のパソコンや携帯電話を介してGoogleWikipediaへいつでも、どこでもアクセスできるこの21世紀には、このような基本的なことの確認を怠ることはまず許されない。もう少し厳しく言えば、ご足労をおかけして来日したグアテマラ代表の選手や関係者に対して非常に無礼な失敗だった。

 

この長居スコアボードの事件は一回だけのことだったら大目に見るかもしれないが、残念ながらそうでもない。日本のブランド名サッカーグッズから、Congratulation!」という挨拶状(本当は複数だよ)や目を覆いたくなるような子供服まで、変な英語が毎日、至る所に現れる。私個人の経験から、日本の大企業がネイティブに任せて頂く場合でも、英文が出版または発表される前に日本人のいわゆる編集者が勝手に滅茶苦茶にすることも信じられないほど頻繁に起こる。

 

グローバルなコミュニケーションや国際競争力にはある程度の多言語化が必要なツールという前提があるとすれば、その基本がそう難しくないはずである。お客様やVIPが来日するときは、できる限り英語(若しくは、その母語)で対応するように努力すれば、話し言葉に多少の間違いがあっても、発音が完璧ではなくても、お客様が落ち着きやすくなるのできっと喜んで頂くだろう。しかし、一方で画面やスローガン、印刷物などには上記の例のようなとんでもない英語が書いてあれば、姿勢が適当過ぎると思われ、自社ひいては日本の価値下落にしか繋がらない。

 

 

② ダービーの侮辱

 

ガンバ大阪のサポーターは文法のおかしいバスタオルで体を拭いたりすることもあれば、セレッソ大阪のことをさり気なく「豚」と呼んだりすることもある。これはもちろん、あるハム・ソーセージ大手のスポンサーが付く、ピンク色のユニフォームを着る地元ライバルということから、かなり分かりやすい冗談であろう。しかし、4年ぶりだった今年の大阪ダービーでは、ホーム&アウェイとも「相手を侮辱するな」という連絡が突然ガンバのフロントから届き、クラブが反する行為と判断したものに対しては永久入場禁止まで視野に入れたようである。先日の万博ダービーでは1人のサポーターがこの時代変化に気付かず、一瞬豚の絵を描いた旗を掲げてしまったが、その結果セレッソ側からクレームが出てしまい、ガンバの中央応援団は試合後に3対2の勝利を喜びたかったときに警備員に叱られることになった。まるで、「豚」というのは巨大なタブーになっているようである。

 

私は過去にも同じ話題について長々と語ったことがあり、詳細な論拠は3月の大阪ダービーのときに書いた記事を参照して頂ければと思うが、ガンバファンへの態度は半年が経っても相変わらずおかしいので、ザっと振り返ろう。野球が盛んな大阪にはプロサッカーチームが2つもあって、理想的でないところが確かに多くあるが、ダービー戦はアイデンティティとライバル心を通して関西地方のサッカーを盛り上げるチャンスとして活かすべきである。(元日本代表監督のイビチャ・オシム氏が先日、スカパー!のインタビューで日本サッカーが今後もさらに成長していくためには、中国や韓国とのライバル心を盛り上げれば良いというふうに述べたのも、同じ考え方である。)万が一、サッカーファンの応援コールには本当に名誉毀損に値する内容や、人種差別用語、或いは実際に乱暴騒ぎを起こそうとする歌詞が含まれる場合はもちろん厳しく処分しなければならない。しかし、日本はグローバルなスポーツであるサッカーとその文化を輸入している中、ダービーのからかい合う習慣も徐々にJリーグにも浸透するのは当然のことであり、しかも大きな魅力ポイントとも言える。むしろ、サッカー選手が家畜に例えられても、実際に悲しむ人は本当にいるのか?

 

そこで、良い考えがある。私のようなガンバサポーターのことを「吹田の猿」と呼んでも構わないので、「豚」という言い方も変えないことにしよう。そしてガンバがダービーで勝ったときはセレッソファンの友達に笑わせてもらうので、次負けたときは仕返しを楽しみに待っている。

 

 

③ 誰か注目してくれるかな

 

去る25日のJ1第24節では、首位の名古屋グランパスがアウェイで静岡エスパルス5対1で圧勝したのに次いで、3位のガンバ大阪が等々力で6位の川崎フロンターレに勝利を収めたのも大きな結果だった。しかしその翌日、私の好きなやべっちFCを見ていると、ルーカスの勝ち越しゴールシーン(約25メートルのミドルシュート)が何故か、あっという間に1回しか映らなかった。「レッズだったら絶対何回も見せてくれたのに」と、私は少し苦笑いを浮かべた。

 

そして偶然なのか、私が天才なのか、次のハイライトは中位同士の決戦、浦和対アルビレックス新潟だったが、柏木陽介がルーカスと同じく約25メートルから決めた先制点は何と1、2回にとどまらず、3回も観賞させてもらった。それも確かに立派なシュートではあったが、エスクデロ・セルヒオのフツーな2点目ももう一度見てみようということになった。

 

私も先ほど認めたように、関西サッカーには確かに課題が残っているだろうが、日本のスポーツ報道がこのように簡単に予想がつくほど関東中心というのは、ちょっとしいことである。

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グアテマラ戦に続き、ザック・ジャパンが本格的スタート

2010/09/17(金)

日本代表が最後に大阪に訪れたときとの違いは、とにかくピッチ外では一目瞭然だった。4月、惨敗に終わった例のセルビでは、多くの観客が君が代の直前に静かに入場した一方、今回はキックオフ1時間半も前の6時15分(普段は日本人の大好きな残業がまだまだ始まったばかりの時間)から長居駅や乗り換えの天王寺駅のホームが既にハイテンションのサッカーファンで鮨詰状態だった。春にはブーイングと怒鳴り声の合間に手元のビールを悲しげに見つめる雰囲気だったが、それに対して先日はキリンの売り子が意気揚々としてパーティーの盛り上げ役に復帰していた。サポーターは再び誇りを持って乾杯して(残念ながら紙コップなのでチャリンと気持ち良い音が鳴らないが)、ピッチ上のパスミスや失点まで大目で見た。

 

それはそれで良かった。他の状況下では、FIFAランキング119位(フェロー諸島よりも1ランク下)、北中米カリブ海の中でも昨年のCONCACAFゴールドカップに出場権すら得られなかったグアテマラ代表を相手に、ホームで辛うじて1点差で勝つというのは何とも心配な結果と捉えられる。日本はスタートがほぼ完璧で、全体的に自信満々のプレーを見せて森本貴幸がうまく2点を決めたが、その直後にマリオ・ロドリゲスにゴールを許すと、残りは非常に内容に乏しい1時間となってしまった。

 

それでももちろん、誰も怒る人はいなかった。1月というタイミングで行われるAFCアジアカップ2011や、それまでのアルゼンチン韓国との強化試合のほうが大切なチャレンジとなるだろうし、特にサポーターや一般市民にとっては、南アフリカの大喜びがまだ記憶に新しい。さらに、新監督が決まらないうちに頼まれた原博実代行監督がベンチから指示を出しながら、ついに新監督に任命したアルベルト・ザッケローニ氏がスタンドから観ているという中で、選手達が少し中途半端な気持ちになってしまったとしてもおかしくないだろう。

 

最終的に予期せぬ成功を見つけた岡田武史元監督の後任者として、ザッケローニ氏が選ばれたことも興味深い。海外開催W杯でベスト16まで進出できたというのは恐らく、日本サッカー史上最大の成功だったと言って良いだろうが、この経験を活かして、次の時代にどのような方向性で進むべきかという転機を迎えた日本サッカー協会には、選択肢が2つあった。1つ目は許丁茂(ホ・ジョンム)監督時代の韓国代表と同じようなアプローチであり、日本人の監督(例えば、西野朗)のもとで日本サッカーを全面的、且つ有機的に発展させていくこと。或いは2つ目は、再び何らかのプラスアルファを持っている外国人監督を起用し、代表のレベルアップを図ること。イタリア出身のザッケローニ監督がとにかく、日本代表歴代監督の中で最も輝かしい職歴を誇っているのは、紛れもない事実である。

 

しかし、ザッケローニ監督の主な業績(1998年にウディネーゼをセリエAで3位に導き、翌1999年にACミランでスクデットを獲得)は残念ながら当時の特徴的な3-4-3システムとともに、もう歴史の彼方に消えつつある。インテル時代、2003/04シーズン終了後に解任されて以来、監督の仕事がこれまで6年間で合わせて10ヶ月しか見つからなかった。2年のブランクの後、2006/07シーズンの直前にトリノの監督に急遽就任するも途中解任され、そしてさらに3年のブランクを経て今年の1月、チーロ・フェラーラの指揮下でセリエA6位に低迷していたユヴェントスの監督に就任した。しかしながらリーグ戦は結局7位に終了し、ヨーロッパリーグではフラムに1対4の大敗で惨めな敗退を喫してしまった。そういった中、契約更新ももちろん可能性ゼロだった。

 

戦術面においては、ザッケローニ監督はユヴェントス就任後、3バックを早くも2試合で諦め4-3-3の一種を使用するようになったが、グアテマラ戦のシステムなどに彼の影響も大きかったという報道もあり、今後は岡田前監督がW杯直前まで起用した4-2-3-1と似たようなスタイルでやっていくようである。私はこのコラムでは、セルビア戦のときから4-1-2-2-1変化を主張したが、今は主に2つの理由から、4-2-3-1に戻れば良いと思われる。まず、とにかく2013年の夏までは「世界の舞台」ではなく「アジア」が中心になるからである。つまり、W杯と比べれば日本が支配しても当たり前の試合が増えるため、遠藤保仁長谷部誠のようなダブルボランチが守備をカバーし切れなくてもそれほど大した問題ではないかもしれないし、むしろ攻撃に加われば効果的とも言える。そして2つ目は、森本や香川真司細貝萌といった若手選手を少しずつ活かしながら、チームを育てる時間と機会がたっぷりあるからである。うまくいけば、2014年のW杯では相手を問わず、2010年代の流行システムで自然且つ積極的にプレーできる日本代表を期待できるだろう。

 

このような成長の実現は最終的に、ザッケローニ監督がその理想的な戦い方を把握した上で選手たちに伝えられるかどうかにかかっている。もちろん、自分なら選ばなかったという人もいるだろうが、代表チームの監督は総理大臣や大統領と同じように、取りあえず当面は国民を挙げて応援するほうが、皆のためになる。

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W杯招致:イングランドの立場から

2010/09/03(金)

先日の朝、携帯電話のアラームに続いて私の目を覚ましてくれたのは、「イングランドの2018年W杯開催候補は負けられない」というBBCの見出しだった。確かに、このドキドキする言葉を口にしたのはイングランド側ではなく、FIFA視察団の有力者だったら理想的だったが、とにかく視察団を首相官邸で迎えたニック・クレッグ副首相(失言癖のあるデーヴィッド・キャメロン首相はタイミング良く育児休暇で不在だった)がこのように自信を持ってアピールしても不思議はないだろう。クレッグ副首相が言う通り、「国民は大いに興奮し、イングランドのW杯開催候補を熱烈に応援している」他、FIFAのゼップ・ブラッター会長も表面的に褒めて頂いているようである。ブラッター会長曰く、「W杯を開催する一番簡単な方法はイングランドに行くことだ。イングランドにはファンも、スタジアムも、設備もすべてが揃っている」。

 

日本ではもちろん、総理大臣が音楽ヒットチャートの1位と同じように入れ替わる(つまり、ついていけるのは学生と同業関係者ぐらいしかいない)ので、イギリスのように国際スポーツ大会の開催権が決まっても政治的な意味もあるわけではないだろう。皮肉にも、この傾向はサッカー界にも及び始めているかのように、日本の2022年W杯招致視察が終わって数日後、意見を二分する犬飼基昭氏がJFA会長を退任した。それでも、この国もまだまだ笑顔である。「サッカーの母国」と事有る毎に掲げるイングランドと比べて歴史は浅いものの、明日からでもすぐにW杯を開催できるくらい、インフラやスタジアム、そしていざというときの組織力がすべて備わっていることは、周知である。さらに、最先端テクノロジーや様々な環境保護の取り組みによって、日本だからこそ提供できる「次世代ワードカップ」も必ず大きなアピールとなるだろう。

 

また、2022年W杯が日本の単独開催に決定すれば、関東との対立で日本サッカーの歴史が始まったという関西地方にとっても、大きな効果をもたらす。招致条件として開幕戦と決勝戦を開催するスタジアムには8万人収容可能な観客席の設置が求められているが、日本招致委員会は横浜国際総合競技場など首都圏の既存施設を増築するのではなく、大阪市の中心部で「大阪エコ・スタジアム」(仮称)という超現代的なスタジアムを新たに建設する予定を発表している。そのきっかけとして、都市再生緊急整備地域に指定されている梅田貨物駅(通称梅田北ヤード、1928年に開業)がようやく移転し再開発されることになっている。因みに、この敷地は我がマンションから徒歩10分くらいのところにあり、ベランダからも見えるということから、「泊めて欲しいんで後12年は絶対に引っ越さないでよ」という連絡が家族や友人、そしてツイッターでしか会ったことのない方からもしばしば寄せられている。

 

しかしながら、日本の開催地としての適格性を保証する、最も大きな要素は、最初から今でもFIFA理事会が日本を一蹴すべき理由でもある。約20年前、JFAが日本初のプロサッカーリーグとなるJリーグを設立して2002年W杯開催の立候補を発表した頃、これは「新市場も開拓してW杯を全世界のものにする」というFIFAの当時のビジョンにバッチリ合致していた。しかし、2度目の開催は日本サッカーの輝かしい発展をさらに促進し、経済(特に、大阪エコ・スタジアムやその技術の契約を獲得する企業)を刺激する効果が期待できるとはいえ、世の中に日本よりW杯開催の順番が待ち遠しい国やファンが山ほどあるわけである。イングランドの2006年大会の招致は失敗だらけに終わってしまったが、早くも1974年W杯も開催したドイツに再び決まったことを嘆く人が少なくなかった。今回は日本(若しくは韓国)がわずか20年で2度も開催するというかつてない機会を与えられれば、嫌な波紋はイングランドに止まらず世界中に広がるだろう。

 

犬飼元会長の後を受けた、FIFA理事でもある小倉純二氏は公にはもちろんアピールするしかないが、心の底では同じ壁を痛感していてもおかしくない。と言いながら、小倉会長自身はとにかく、完全に「Win-Win」な状況にある。もし日本に決まれば小倉会長の成功になる一方、うまくいかない場合でも、前任者が自分のレガシーを考えて動くのが早過ぎたと言い捨てても良い。

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